2013年1月24日木曜日

キス仕掛を作ろう ④両端の処理・完成編

前回までで仕掛糸の原型ができた。天秤側に二本撚り、中央付近に枝バリを付けための撚りチチワがある。
今回はこの仕掛糸の両端をどうするかについて、そして完成までのお話。
まず天秤側。二本撚り先端のループにスナップ付サルカンを付ける。天秤と接続するためには普通のサルカンではダメだ。
サルカンに先端を通す。出てきた先端ループにサルカン、または仕掛糸のもう一方の先端、どちらかを通して引く。お好みで。
通常サルカンが先端ループより大きいので、もう一方の端を通すのが楽だ。途中で撚りチチワもループを通るが大丈夫。
引っ張って締めると、サルカンの輪に糸が二本掛かったダブルライン・スイベル・ノットになる。
次は仕掛糸がシングルのままになっている先端部分。ハリスを付けるためのチチワを作ろう。
6cmぐらい先端を折って右手で持ち、左手で先端ループを向こう側から本線にあてて交差点を再び右手で持つ。
左手で二本重なったループを時計回りに180度回転させる。そのループに右手で持っている先端シングルループを入れる。
締めれば8の字結びによるチチワができる。慣れれば目を閉じていても可能だ。チチワのかわりに小型サルカンでもよい。
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ここまでが分かりにくかった人・作るのに時間が掛かった人は⑤動画編を見ておいてほしい。
これで仕掛糸の本線ができた。後はハリスを結んでおいたハリを先端と枝バリ用撚りチチワに結べばよい。
僕は先端に長さ22cmの物を、枝バリには長さ11cmのものを用意すると書いたが、結んで切ると20cmと9cmぐらいになる。
これでキス釣り仕掛が全て完成だ。スナップサルカンで天秤に接続すれば臨戦態勢となる。
餌は短かめに切って付けること。キスが散らないよう、水深に合わせてなるべく軽いオモリを使うこと。
竿下でもチョイ投げでも、仕掛が常に天秤や力糸から離れるよう留意しよう。
つまり、竿下なら落とす前に潮で仕掛を吹き流しておくこと。
チョイ投げなら着水直前にスプールを押さえて糸の出を止め、天秤の向こうに仕掛を落とし、着底後すぐ仕掛の長さ分引く。
仕掛に頼らず、竿やラインの操作で常に絡みを防ぎながら釣れば、トラブルが減って釣果につながる。
さあ、仕掛けができたらキスを釣りに行こう。あなたはこの仕掛の耐久性とトラブルの少なさに驚くに違いない。豊漁祈願!
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念のため最初からどうぞ。
①ハリ編

②絡み防止の二本撚り編
③枝スを出すチチワ編
④両端の処理・完成編
⑤動画編

2013年1月23日水曜日

キス仕掛を作ろう ③枝スを出すチチ輪編

前回までで仕掛糸に二本撚り部分ができた。次は枝バリを付けるチチ輪を作ろう。それもヨリチチ輪で。
枝スは本線に直結してしまえば簡単なのだが、キス釣りのように枝バリ・枝スの傷みが激しい釣りでは直結は向いてない。
チチ輪から枝スを出しておき、ここから先が傷んだら、枝バリ・枝スだけ交換できるようにしておくべきだ。
そうしないと時間と資源と金の無駄。ではチチ輪を仕掛の途中にどうやって作るのか?よく見てね。RIMG3583  RIMG3584
まず二本撚りを4cmぐらい作って左手で持つ。やり方は前回「②絡み防止の二本撚り編」をご参照。
次に、右手で持っている糸を手前からループを作って左手の保持ポジションに沿える。
同時に左手で持っている糸は右手方向に押し出してふくらみを作る。交差点を左手指で重ねて持つ。
左手指の保持している輪の直径は3cmぐらいがいいだろう。
ここからが説明するのも実際にやるのも難しいのだが、辛抱して理解してほしい。この仕掛の最大のポイントだから。RIMG3585 RIMG3586
まず左手指の保持位置から4cm離れた場所を右手指でつまむ。右手指を左手側に押してU字型を作る。
そのU字を、U字頂点が輪の中央に来るようにして輪の向こう側から添える。
U字型を崩さないまま輪の下辺に巻き付けていく。向こうからこっち回りに3回転、輪をくぐらせ左手指で保持する。
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この保持した状態を理解するために、マジックテープに貼り付けてみた。左右から来る仕掛糸の真ん中に輪がある。
その輪の上辺に撚りチチ輪があり、下辺にU字が3回巻き付けられている。わかるかな?
次に、撚りチチ輪先端をU字に通す。手前・向こう、どちらから通してもよい。そして左右から仕掛糸をゆっくり引き締める。
僕はこの時、撚りチチ輪の先端を唇で咥えている。但し口は回転を防止するだけで、引っ張ってはいけない。RIMG3593 RIMG3596
こうすると、撚りチチ輪の根元にブラッドノットと同じ原理で結び目ができる。あのナイロン同士結束で最強の結び方だ。
次回は④両端の処理編。今回③ができたあなたにとっては屁のようなものだけどねw
連載全体構成は:
①ハリ編
②絡み防止の二本撚り編

③枝スを出すチチワ編 ←ここが山場だw
④両端の処理・完成編
⑤動画編

2013年1月22日火曜日

キス仕掛を作ろう ②絡み防止の二本撚り編

このキス仕掛は、天秤に近い部分を二本よりにして張りを持たせ、絡みにくくしているのが特長だ。
市販の仕掛はこの二本撚りが無いものが多い。そんな仕掛は1日のうちに何度も絡みほぐしに時間を費やすことになる。
まずは仕掛糸を用意する。フロロの2.5号ぐらいがいいだろう。あまり細くすると、釣果が伸びない割りにトラブルが増える。
長さは糸の端を持って腕を伸ばし、矢引きからもう少し引っ張って肩のちょい先まで。これで110cmぐらい。カットする。
この糸から60cmの仕掛ができる。ハリスを含めた全長は80cm、2本バリだ。
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まずは糸を端から50cmぐらいのところで折り、その近くの両側を両手の人差指と親指で持つ。
ここからが糸撚り、プラー・デーン。左右同時に撚る。右手の指は向こうへ、左手の指はこっちへ、左右逆ツイストするわけ。
両手を近づけると、左右から掛かった撚りが中央の折れ目に集積されていく。ちょいコツが要る作業で、できない人もいる。
あまりテンションを緩めると撚りがだらしなくなるので、張り気味のまま撚っては中央の二本撚りに溜めていく。
結果、25cmぐらいの長さの二本撚りができるだろう。端の方もきっちり撚って、8の字結びで留める。
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8の字の方法。左人差指と親指でこれから結び留めする撚りの終点を持つ。(右側に撚りそして先端の輪が垂れる)
5cm離れた場所を右手で持ち、手前から左手の保持点に向かってループを作り、左手指はそれを受け取って一緒に摘む。
右手でループを向こう向き(時計回り)に180度回転させて、左手指は回転後の状態でつまみ直す。
二本撚りの先端をループ向こうから手前に通して引っ張る。結び目が8の字になっているのを確認、締める。
向こう側から寄せてループを作り、反時計回りに回転させ、先端を手前から向こうに通してもよい。やりやすい方でどうぞ。
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連載全体構成は:
①ハリ編
②絡み防止の二本撚り編

③枝スを出すチチワ編 ←ここが山場だw
④両端の処理・完成編
⑤動画編

2013年1月21日月曜日

キス仕掛を作ろう ①ハリ編

タイランド在住の全ての餌釣り師待望?のキス釣り仕掛製作方法、ついに連載開始(爆)
タイランドには日本のシロギスに近縁のモトギス・ホシギスが多く生息し、キスを専門に狙った日本同様の釣りができる。
しかし多くの日本人釣師は、アジやイトヨリを釣っている時に混じって少々釣れるキスを「おっ、キスだ」と持ち帰る程度。
タイランドの釣具店にはキス用のハリ・天秤・仕掛などが売っておらず、これが皆がキス釣りをしない原因の一つだろう。
そこで、仕掛ぐらいは自分で作れるようにしようと、このブログが登場するわけだ。期待効果は4つある。
☆タイランドで売ってなくても簡単に自作できる。これでキス釣りのハードルが下がる。
☆何より、自作の仕掛でキスを狙って釣れば充実感が違う。
☆市販仕掛に比べ、キス専用ハリ仕様と絡みトラブル減少で釣果が伸びる。
☆市販仕掛より安上がり。
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さて、初回はハリから始めよう。一言で言うと小さいハリを使う。市販の仕掛に付いてるのは大きすぎる。
炊き上がったご飯粒の外周ぐらいのサイズがいい。画像のハリは少し大きめ。長軸はフグ対策なのだが、タイでは関係ない。
フエフキのように口が堅くて飲み込む外道が多いと、小さな細いハリでは消耗が激しいので、この大きさで妥協している。
これを本結び(スネルノット)で結ぶ。外掛とか内掛とか最後にループに糸の先端を通す結び方は老眼には厳しいのでね。
この結び方の解説は画像が沢山必要なので別の連載で紹介するが、ぜひ覚えておいてほしい。生涯の友となるワザだ。
まず右上画像のように輪を作ってハリのチモトを持つ。ハリス先端の位置は出すぎ引込めすぎに注意。輪の大きさも注意。
ここから、左下画像のように上方向に立っている糸を持ち、ハリ軸とハリ軸に沿わせた2本の糸を同時に巻いていくのだ。
そうそう、あの有名な川柳。「来てみれば ハリも結べぬ バスあがり」 失礼、話が横に反れた。
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今回、仕掛の完成形は2本バリだ。枝ス(短)と先端部分(長)の2種類の長さに切っておき、釣り場に持ち込もう。
僕は短い方を11cm、長い方を22cmに切り揃え、スポンジや硬質発泡材に並べて刺している。
市販の仕掛はハリやハリスがやられると、その部分だけの交換ができず、仕掛が全損となる。
ここで紹介する仕掛は、傷んだ部分を新しいハリス付ハリに交換すれば直ぐに釣りに復帰できる方式。経済的で早い。
次回以降の連載予定は:
②絡み防止の二本撚り編
③枝スを出すチチワ編
④両端の処理・完成編
⑤動画編

2013年1月20日日曜日

夢の欠片さえも

アンダマン海、シミラン諸島周辺へジギング遠征の準備をした。荷物の中身はこんな感じ。
メイン: ジギングロッド2本、キャスティングロッド1本、スピニングリール2個、替スプール1個、曳き釣り用両軸リール1個。
ルアー: ジグ200g中心に20個、キャスティング用ペンシルベイト3個、曳き釣り用ラパラ2個、ソフトベイト少々、弓角(笑)。
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直接釣具: ラインPE4号、リーダー60lb・80lb、フック2/0・3/0、接続金具、ワイヤー40lb。
間接釣具: プライヤー、ハサミ、救命具、ギンバル、ウエス、接着剤、ルアー補修シート。
身回り品: 釣りパンツ、長袖、Tシャツ、下着、帽子、手袋、サングラス、日焼止め、絆創膏、軟膏、洗面・入浴用品、タオル。
記録用品その他: カメラ、メモ帳、ペン、メジャー、財布、パスポート、携帯電話、ビニール袋、輪ゴム。
これ以外に、これらを入れていくバッグ2つとロッドケース、そして着用していく衣類とサンダル。
ロッドケースと磯バッグを預け荷物にして17kg、機内持込みバッグは7kg以内。よしよし準備完了、あとは行くだけ。
という予定だったのだが、全ての準備意味なし。直前になって参加不能となり、車から積んであった荷物を引き上げる。
最近いいことが一つも無い。部屋に戻り夢の欠片をばらす。3月にこのセットを詰め直そう。もし行くことができるなら。
RIMG3559遺影遠征メンバーと僕の「遺影」

2013年1月17日木曜日

The Messiah Will Come Again / Gary Moore


ロイ・ブキャナンの名曲「メシアが再び」のゲイリー・ムーアによるライブ。これが凄まじい。
長いイントロの後、1:49からメインテーマに入る。人間国宝はこの単純なフレーズを爆発的に膨張させる。
なんという感情移入、この人の感情の総量はとてつもない。それを全て吐き出す。顔にも(笑)
レスポールのズ太い音色が上へ下へ、速く遅く、強く優しく…。ほんと、釘付けになるね。
でもGary、逝ってしまうなんて。一生聴くからな。 R.I.P.

2013年1月14日月曜日

サトゥン 旅の終わり

最終日、やはり強い北東風は止まない。ずっと行きたかったレック島での釣りは最後まで無理だった。
クラン島、タルタオ島と経由してパクバラの町まで帰らなければならないのだが、この波風はロングテールボートにはきつい。
朝暗いうちから風が落ちるのをじっと待つ。一時はもう帰れないかと思った。風が弱まった8:00、ようやくにアダン島を出た。
船の揺れが激しく、そのうえ激しい雨。屋根の上からのトローリングは諦めた。キャビン内で小さくなって待つ。2時間弱。
クラン島に着いた。「中途島」という名前の通りアダン島とタルタオ島の中間にある。西岸を北上しながらキャスティング。
以前は良く釣れたこの島も、ここ2年ほどさっぱりだ。ダツとチェッカーのみ。ここならエギングやジギングの方が楽しめる。
雨の中を再発進、タルタオ島に向かった。船頭はタルタオ島で12月中旬、キス漁の合間にプラーモンを沢山釣ったという。
アオ・マッカムからキャスティングを開始した。ここは風裏でベタ凪。魚の活性はまずまずだが、惜しい所で掛からない。
プラー・モンは水面を割りながら乗らず、または船べりで反転。大きなマングローブ・ジャックも出たがルアーを咥え損ねた。
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やっと12番南で僕にクイーン。同時ヒットの船頭が釣ったのはルアーで初めてのマングローブジャック。船頭大喜びだ。
雨の中、服の水を絞りながら投げる。僕が投げた後、その場所に船頭が投げてプラーモン・51cmと45cmを釣った。
僕は小型ののクイーンフィッシュを4連発。プラーモンはダツの歯の傷が原因でラインブレークしてしまった。調子悪っ!
ということで、最終日は殆ど釣果に恵まれず時間切れとなった。これで僕の旅は終わった。
前回の年末年始と比べると、全日程にわたり天気が悪すぎた。悪天候に船の故障、そりゃ釣果不振となるわな(笑)
しかし、アダン島・ラウイ島の素晴らしさに全く傷が付くことは無い。本当にいいところだ。また行きたい。心からそう思う。 RIMG0602 RIMG3522
place : Ko Tarutao / Satun Province
fish : Mangrove Jack

2013年1月11日金曜日

のんびりとラウイ島

アダン島西岸の磯の深場が終わりビーチ交じりの浅場になったところで、ヤン島へそしてラウイ島南岸へと移った。
岸寄りは浅いのでブレークラインを攻めたが、ダツの猛攻。ルアーが切られない様に祈る。傷でどんどんリーダーが短くなる。
プラー・モンが釣れないまま美しいマングローブ林に囲まれた珊瑚礁で昼食となった。恒例カニ定食。これがうまい。
出船から3日間、僕がときどき海水に漬けてお世話してきた活ガニだ。標準和名はトゲノコギリガザミ。
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日本の地方名ではドウマンガニとかエガニとかいうらしい。日本ではキロ5,000円もする高級食材だ。
サトゥンではプー・ダム(黒蟹)と呼んでキロ200バーツ(560円)。タイでもワタリガニより高級であるのは一緒。
さて、昼食後はラウイ島南西端の岬周りを舐めるようにキャスト。抜群のロケーション。でも魚皆無(泣)。
心折れてTAIYOさんと相談。「珊瑚礁に行って食料調達しましょうか?」「いいですね!」
入り江の奥までボートを進めると、そこはジャングルに囲まれた手付かずの珊瑚礁だ。実に美しい。
僕はラッキークラフトB'FREEZE78Sを使った。餌と呼ばれるルアー、威力は抜群だ。1投につき2~3回アタリがあるw。
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どんどん釣れるのはチェッカード(アミメフエダイ)とハタ類。3流しで上の画像の倍ぐらい釣れた。
何をしにこんな離島まで来たのか忘れて楽しんだ後、また磯のキャスティングに戻った。
しかしこの後は僕が45cm、TAIYOさんが48cmのプラー・モンを釣っただけで不調。
そんな時、美しい湾奥に落ちる滝を見て、スレイマン船頭が「水浴びに行こう!」と言った。
船を磯に着け、岩場を登って澄んだ滝の水をかぶる。これは予想外の展開、それに何と気持ちいいこと!
釣りというより気ままに寄り道するのんびりした旅の日だったかな。南の島は心を癒す楽しみに満ちている。RIMG0615RIMG0608
place : Ko Rawi / Satun Province / Southern Thailand
fish : Checkerd Seaperch, Long Finned Rockcod

2013年1月9日水曜日

シリアスにアダン島

朝6:30にアダン島の国立公園事務所前から船で出た。TAIYOさんも同船だ。
北東風が吹き荒れている。大晦日にGTが出たアダン島の西岸に向かった。丁度風裏で調子がいい。
以前チャオレーの船頭がTAIYOさんを連れてきたのもここ。実績場なのだ。北端の岬から南に流し丁寧に投げる。
TAIYOさんはヤマリア・ローデッド14cmのシングルフック仕様。僕はタックルハウス・ブリット。ともにペンシルだ。
大晦日にGTをバラした船頭も真面目な顔をしてキャストに加わっている。潮は流れ雰囲気はいい。でも食わない。
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7:40、トウィッチをやめて速引きミノーイングをしていた僕のブリットにガツーンと乗った。水面爆発は無いがそれもよし!
おー、潮に乗って引く引く。ツナロッドなので強引に寄せて抜き上げたのは63cmのプラー・モン。綺麗な魚体。居るね~。
10分後、TAIYOさんがみよしから前に投げたローデッドに水柱がドーン。グーンと竿が曲がる。ここでかなり動揺したらしい。
魚が一気に手前に走ったのでテンションが抜けて「バレた~」の悲痛の声。しかし魚はちゃんと付いていた。
写真を撮ろうとすると「撮った瞬間にバレる~」と心配そうなTAIYOさん。上がってきたのは白銀の65cm。お見事。
金色のシングルフックがしっかりカンヌキで刺さっているように見えたが、実はそっと乗っているだけだった。危なかった。
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TAIYOさんはこの一匹で十分満足したようで「帰ろかっ!」発言が出た。僕も同じく、シリアスモードから開放された気分。
別ルートで遥か遠くまで来て逢った2人が、同じ時刻・同じ場所・同じ魚の2013年初物を釣ったわけだ。実にめでたい。
他の場所は強風で難儀だが、折角ここまで来たのだし、まだまだ時間はある。ラウイ島を回ってみよう。
place : Ko Adan, Satun Province, Southern Thailand
fish : Giant Trevally

2013年1月7日月曜日

リペ島で元旦を休む

2013年の元旦、朝5:30にアダン島を出船。大物が期待できる場所で釣りをしようとトン島西岸を目指した。
出発して20分もしないうちにエンジンから煙が…。調べてみると冷却水ポンプの内部パーツが破断していた。航行不能!
早朝からリペ島や本土パクバラのエンジニアに電話してパーツを探す。結局本土からフェリーで搬送することになった。
到着までと修理時間を考えると、船が動けるのは午後遅くになってからか。いきなり元旦の釣りは困難になった模様(泣)。
RIMG0563RIMG3507牽引・チャオレーの家
救助に来たボートに牽引されてリペ島に上陸、島を散策することにした。この島には何度か来たが、外周しか知らないので。
本土から遠く離れた場所にあって電気も水道もないのに、過度に開発されたリゾート・アイランド。ここ何だか嫌いだな。
船が着いたサンセットビーチから丘を越える。林の中にバンガローや飯屋が散在しているが、閑散期はどうしてるのか?
チャオレー(インドネシア系原住民)の民家から聞こえるのはタイ語ではない。数十年前まで海賊が生業だった家もあるとか。
彼らは今ではリゾートの従業員やボート輸送で食っている。もちろん昔からの漁師もいる。家を見る限り相当貧しい。RIMG3509RIMG3511パヤタビーチ・ゴミ船
そのうち南岸のパタヤビーチの西端に出た。浜の東の端までリゾート施設と船がずらーっと並んでいる。
中には一泊6,000バーツとかとんでもないのもあるのだが、どこも書き入れ時で満杯のようだ。
着いたばかりのスピードボートが大量の観光客を吐き出す。錆びたゴミ回収船が浜の中央にドスンと居るのが興醒め。
浜を歩いていくと「ウォーキングストリート」のゲートがあった。さすが本家パタヤ・ビーチのコピーだな。入ってみる。
中にはツアーデスク、食堂、土産物屋、マリンスポーツ店、バー、マッサージ屋、宿泊施設などがびっしり並んでいる。
観光客はヨーロッパと中国からが多い模様。日本人は少数…チャラいのも来てるな。祖国に恥をかかせないように祈る。
RIMG3513RIMG3517ウォーキングストリート
ウォーキングストリートの飯屋は場所にしては良心的な値段で味も良かった。でも水道が無いから衛生面はどうかな。
通りの裏に入ってみると、腐臭が漂いハエだらけ。フツーの観光客はリゾート気分に徹すべし、現実を見ない方がいい。
RIMG3515RIMG3518リペ島のサンセットビーチ
ツアーデスクに貼り出された盛りだくさんのアクティビティ。ふと見ると、釣りの画像が。プラー・モンだ!
よく観察すると観光客に10cmぐらいのスプーンやミノーを投げさせているようだ。そりゃ釣れれば喜ぶだろうな。
本を読み、昼寝し、時間を潰す。ようやく直った船でアダン島に一旦戻ると、髭面のTAIYOさんが手を振っていた。
RIMG0570 RIMG0571TAIYOさんとトン島へ
そこで朝予定していたトン島西岸に二人で行ってみた。この日そこでは巻網漁が盛んに行われており、釣果は絶望的。
もっと近くの別の場所行っときゃ良かったなと思っているうちに日が暮れた。投げたのは1.5時間ぐらい。あ~ぁ。
強風に逆行して帰還中、僕は何度も頭から波を被ってズブ濡れ。その惨状はアダン島の食堂でファラン客を震撼させた。
元旦から思わぬ展開で色々あったな。ま、この日はお休みで観光いうことで(笑)。