2016年5月28日土曜日

南アフリカでスロージギング・ハタ大型

シェリービーチ沖はうねりが次第におさまり風も無く、アンドリュー船頭が潮流を測るとめったにないことだが流れてない。船頭が笑顔で宣言、「こんなの久しぶり。Ray、ディープライン行くぞ!カーディナル(ハマダイ)狙おう!」
僕は実に長い時間この機会を待っていた。ここでは何と10か月ぶりだ。ジグを落としてみると真っ直ぐ沈んでいく。「船頭、水深は?」「132m!」いいではないか。数は少ないがカンパチ、ハタ、ハマダイなどが潜む垂涎の場所だ。
道具立ては、ロッド:ヤマガ・ギャラハド63/3スロー、リール:オシアジガー2001HG、ライン:Power Pro 2号、リーダー:フロロ60lb、ジグ:シャウト・フラッシュ250g赤金。前後にフックを付けてスローピッチで丁寧に誘って行く。

水深とジグの重さにロッドが負け気味だな…と思っていたらガツンと食った。何か走るからスマかハガツオだろうと上げて見たら66cmのキハダだった。君はどこにでも居るな(笑)。本来なら餌釣りの人々にトロリー(黄連子)がバンバン釣れるはずなのだが、なぜか不振。そんな中、僕のスローにグンっと乗った。引きで予想した通りトロリーの43cm。素晴らしくきれいな魚体。他の鯛よりも目がぱっちりで口が小さくてかわいい。
大きいのよ来いっと誘い上げては下ろしていたらドスン。ドラグ音がカーッと鳴ってラインが出る。魚が大きそうなのを見た船頭が「根を切れ!カーディナルかハタだ」と駆け寄ってきた。無事に魚を根から離して長いリフトに入る。重量感たっぷり。何度か短くも力強い引きが襲う。ラインが細いので冷や汗。ロッドを曲げると折れそうなのでリールだけでライン回収、時間がかかる。見えてきた魚に船頭が叫ぶ「ハタだ!」
乗客乗員全員が見守る中、ついに黄色い魚体がザバーンと海面に横たわった。ジグのリアフック2本が口角にがっちり掛かっていた。イエローベリー・ロックコッドという種類。今まで何度も釣ってるが、放流基準(60cm)未満ばかりだった。今回は違うよ。103cm・16.5kg、文句なしの良型だ。皆の祝辞とハイファイブが続く。「でかい!よくやったRay!」「こんな鉛筆みたいな竿でよく釣ったな。え?ラインは30lb?信じられん…」「僕もジギング勉強しよっと」「きっと今日のシェリービーチのチャンピオンだな」…有難う、みんな!

その後はキントキダイやエソなど目立った釣果がなかったが、振り返れば納得の一日だった。前半のゲームフィッシングでは曳きとジギングでキハダ20.5kg頭に7匹を釣り、後半のディープラインジギングでは16.5kgのハタなどいろいろ。釣った総重量は70kgに達した。半日5,000円の乗合船でこれはやり過ぎやな。ま、釣れない日も多いし、今後もまず無いだろうから勘弁してね。
スロージギングについて言えば、この日、いつもは閉じている3つの鬼門が幸運にも同時に開いたのだ。①強風の門⇔風が無い②激流の門⇔潮が緩い③シャークアタックの門⇔サメが居ない。どんなに条件が悪くても必ず持ち込んでいるスローの道具が、この日3つのゲートをすり抜けて魚に届き、釣果に繋がった。長い間備えて耐えて待って、ついに開いた瞬間を捉えて釣った。釣師ならこれがどういうことを意味するか、その価値を分かってくれると思う。最高に嬉しいね。

place : Shelly Beach, KZN, RSA
fish : Panga, Sandpaper Fish, Yellow Berry Rockcod

2016年5月24日火曜日

南アフリカでキハダを釣る

シェリービーチのRiptideに単独釣行。同船者は女性3名・男性3名の家族連れ。トローリングは僕が用意している間に1匹目が釣れてしまった。それではとジグを落としてシャクると66cm・4kgのキハダ。出だし好調だ。
トローリングの用意も完了、僕は右舷一番外側からGTロッド手持ちでルアーを曳いた。アンドリュー船頭は7km/hで進む。強烈なアタリがあって、緩めていたドラグからこれでもかというほどラインが出た。セカンドランは底に向かって一直線。アンドリューが「船で引っ張って浮かせようか?」と言ってくれたが「そんなに大きくないから大丈夫」と断ってリフトに入った。150mも巻かなあかんやん、走られ過ぎ。巻いて起こして巻いて…レインジャケットの下は汗ムレムレ。無事にギャフが入った2匹目は90cm・9kgのキハダ。もう十分。帰りたいな(笑)

その後はボートが停止した時にジギングで4kg級を釣っていたのだが、アンドリュー船頭から「Rayも曳け。今日は魚一杯だぞ」とトローリングに招集がかかった。暫く曳いていると僕の竿だけでなくボートの竿も合わせて5本一斉にヒット。掛かったキハダがババーンと跳ねる。船上は大忙しだ。僕は魚を誘導してミヨシに移りエイコラ巻き上げ。あーしんど。だけどGTロッドはリフティングパワーが素晴らしいな。サイドチェンジしてまた戻って浮かせたのはキハダ117cm・20.5kg。この大きさは今まで全てサメに食われてきたから、ようやく釣ったという感じ。皆がHigh5を求めてきて嬉しかった。でもこんなんクーラーに入りませんがな。

その後はもうマグロ要らんので底釣りの用意をして他の客の釣をぼーっと見ていたが、18kgの良型が上がった以外は全部4kg級キハダとカツオだった。底釣り用の細いラインに替えた以降もジグをしゃくればアタリがあり、結局一人でキハダ7匹を釣った。7人の客全員でキハダ24匹・カツオ3匹だったから、僕としては型も数も上々だったね。

最後にルアーとジグを載せておこう。ルアーは使い古したラパラのCDマグナム14cm。5年前にサワラ用に全身白ペイントした古豪だが、安定の泳ぎとリップのキラキラでいつも魚を誘ってくれる。フックはST66の1/0。ジグはメジャークラフトのジグパラ150g。ジグは何でも釣れるんだけどサメで紛失が多いので千円未満のこいつは助かる。ペイント剥げてボロボロだけど毎回マグロを掛けて戻ってくる頼れるやつ。脱力のボロさでしょ?釣れりゃいいのよ、これで。
place : Shelly Beach, KZN, RSA
fish : Yellow Fin Tuna

2016年5月15日日曜日

シェリービーチでキハダ連発

秋も深まり日が短くなってきた。波の無い穏やかなシェリービーチの海へRiptideで出た。前日はゲームフィッシュ(マグロ・カツオ)は全然だめで、ボトムだけだったとか。中乗りがトローリングを4本セットし終えてから、僕もダメ元で8'2"のツナロッドで曳き始めた。どっこいラッキー、僕のの竿にゴーンとファーストヒット!船頭竿に掛けた他客2人と一緒にファイト開始だ。初めは好きなだけ走らせるのだが、このランが長い。巻きに入ってからも抵抗が強い。せっかく回収したラインを半分ぐらい戻されたりするが楽しい。「サメよ来るな~」と祈りながら頑張って巻くと銀色の魚体がグルーっと回りながら見えてきた。キハダ103cm・14.0kgだ。これでもう十分なので、皆に英語で「帰ろかっ!」をかまして笑われた。腰で切断して二つ折りにしてクーラーに投入。ううむ、満足。他の客も8kg級を上げていた

以降マイロッドでのトローリングは自粛して他の客に当たるのを待った。次の群れに当たっのでミヨシでジギング開始。難なくヒット、キューンと走るが軽いな。62cm・3.1kgだった。ここまでで客8人中、7人で8匹釣れた。最後に残った初心者の若者にマグロを釣ってもらうため、予定を延長して曳き続けることになった。随分時間がかかったが、艫のロッドにダブルヒットだ。若者と常連アリーが竿を受け取った。僕のジギングにも早速ヒット。当地でマグロ用に買ったシマノのTREVALA TFS-58XXHというジギングロッドはなかなか調子が良く、強引に取り込んだのは87cm・8.3kgだった。若者の竿に掛かっているのは良型らしく、全然巻けない。中乗りが途中交代して弱らせてから若者にロッドが再び渡された。彼がクリクリとリールを巻くので変だなと思ったら、サメに食われた頭だけ上がってきた。艫で苦戦していたアリーもようやく魚を浮かせ、サメが来る前にキャッチ成功。おお、120cm・24kg、同時に釣った僕の8.3kgと並べて写真撮ったら、その大きさの違いよ(ToT)!


ボトムフィッシングは70m立ちから開始。ハタの釣れる可能性が高い水深なので頑張ってスロージギングしたが駄目。45m立ちに移ってからジギングは諦め、イカやイワシ餌でシモフリハタ、イヤゴハタ、スリンガーなどを適度に釣る。サメ被害が続出し始めたので早めに納竿した。
陸に上がると「よくやったRay」「すげーな、またジギングで?」「今日は寿司パーティーだな」とか皆にヨイショされてくすぐったい。本当は24kg釣りたかったけど、僕の竿に来なかったのだから仕方ないね。中身が多すぎて蓋が閉まらないクーラーに氷を追加し、レインウエアで包んで150kmの道のりを帰宅した。高い道具は使ってないけど、経験を活かし基本を守って通っていれば、ちゃんと釣れる日に当たるんだよね。たま~に。
place : Shelly Beach, KZN, RSA
fish : Yellow Fin Tuna

2016年5月11日水曜日

ドラケンスバーグ合宿

メーデーを含む3連休、ドラケンスバーグ合宿に参加した。標高1,400m程の川沿いでロッジに泊まって皆で飲もうと。かつてはここの川にブラウンやレインボーが居たらしいが、昨年の歴史的渇水と熱波で壊滅したと思われる。事前情報でも水が少ないとのことで釣りは無理かな?一応道具は用意して現地に向かった。
3,000級の山に向かって一番奥が登山口と国立公園施設、その下に養鱒場があって、そこから下流5kmぐらいが私有地で釣り場になっていた。さらに下流には人家が多く、水質や安全性に疑問。ヨハネスブルグからのよねっちさんと(ToT)さんも到着して3人揃ったので、川に降りてみた。小雨で気温6℃と寒い。(ToT)さんが岸沿いにドライフライを落とすとパシャッと反応があった。直後、全く同じ場所で僕のフックにガツンと食ってジャンプしてバレた。35cmぐらいのブラウンだった。魚居るやん!もう1匹同型をバラしたが、ちゃんと釣れたのは18cmぐらいの赤ちゃん2匹。
夜は(ToT)さんの豚肉料理で宴会。暖炉で薪をガンガン燃やしてMETAL RESISTANCE/BABYMETALを聴く。萌え死ぬわ。誘われなければ一人で海に行ってたところだが、皆で宴会はいいねえ!

翌朝は(ToT)産の新車ランドローバー・ディフェンダーで下流を案内してもらった。渓相はいいが、多分放牧の家畜の糞から養分が流れ込んでいるのだろう、石の表面から見て水質はイマイチ。天気素晴らしく、魚影全くなし。昼にヨハネスブルグから松下さんが到着。ロッジでカレーを食って再出発。僕は松下さんと組んで私有地域内を上がってみた。16時過ぎたころから虫が飛び始め、魚が追ってきたりババっと逃げたりするのが見え始めた。そして立て続けにブラウン2匹と小型のレインボーをキャッチ。残念ながら全部最近放流された魚だね。バイトは全部で10回ぐらい。松下さんは追わせるにとどまったが楽しい釣りだった。

晩は松下さんによる豚リブアイ炭火焼と日本酒で宴会。よねさんの再リクエストでMETAL RESISTANCE♪。最後は寒い中で星空撮影会。空を埋め尽くす星に息をのむ。僕は早々に切り上げて寝ちゃったけど、(ToT)さんは随分粘った模様。良いのが撮れたかな?

最終日の朝は晴天。ヨハネスブルグの3人は丘陵を散歩。僕は川を散歩。驚いたことに、砂泥底の淵に沢山のブラウンがサスペンドしていた。標高は高いが南緯30度と鱒類の生息には限界的な地域。冷涼な気候が何年か続けば自然繁殖するのかな。
昼に町まで降りて散会した。3人はその後ブラックバスを釣りに行ったがどうなったことやら。
自分一人で行くような釣りではないけど、綺麗な場所だから誘われたらまた行くかもね。
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