2012年10月27日土曜日

モルディブGT夏休み ③時合い到来

6:25、停泊地のガーファルファル環礁から抜け出たボートは、環礁南岸を西に進んだ。イルカがついてくる。
魚の反応が無いので、海峡を渡って北マーレ環礁の前日の昼に良かった場所に大移動。
いきなり艫のコーナーから投げた僕のポッパーにミスバイトが出た。ここからGTの時合いに突入。
まず7:35、コウジさんのBBブルポッパーにGT80cm。次はおーさんが7seasのRHで74cm。
型にかかわらずGTが掛かると艫に誘導されそこで取り込むことになる。艫で釣ってる僕はその間お休みで写真撮影だ。
RIMG0285 RIMG0290
次は子泣爺さんがプロキックの長いポッパーで68cm。ようやく3日目にして今回初GTだ。おめでとう!
続いておーさん66cmとコウジサン黒GTのダブルヒット。二人が狭い舷側をロッドを曲げたまま歩いてくる。
コウジサンの黒は84cmと当日最大魚。僕はキャストを再開することも出来ず、ただ艫でカメラを持って待ち構えるだけ。
魚をリリースし終わったと思ったら、コウジさんがまた75cmをキャッチ。うぅ…また来たか(笑)
RIMG0297RIMG0300
ということで前のデッキ3人は怒涛の15分間GTキャッチ6匹、バラシ多数。僕は…ミスバイト3回のみ、無念。
後から思えば、GTが小振りだったので写真撮影などクルーに任せて投げていれば良かったかなと。
でも小さいかどうかって、本人以外には魚が上がってこない限り分からない。カメラは準備しちゃうわけで、難しい。
時合いが終わると、ボートはインナーを一路南へ。空港を目指しながら散在するリーフを拾い釣りしていく。
9:35、おーさんが久々のヒット。彼にしか使いこなせない7seasのBig HeadでGT71cm。
10:00、子泣爺さんがローデッドで2回掛けた。2回目はバナナ(タカサゴ)のボールを通過する時ボート近くでいきなり食った。
しかし前日同様、子泣爺さんの6号ラインは問題あり。またもやラインブレーク。リスク回避のために銘柄教えてもらおう。
昼前、最後に僕がProkickのBigmouthで76cm、コウジさんがローデッドで78cmを釣って納竿とした。
RIMG3279RIMG0309
楽しかった。ただ時間・数・型とも物足りなかった。直行便利用、釣り2.5日の弾丸釣行なので、可能性はお預けということで。
数はコウジさん8匹、おーさんとリュージョンが6匹、子泣爺さんが1匹、GT計21匹。外道は6種6匹。
型は最大109cmが2匹を含む100cm超が5匹、90台4匹、80台2匹、70台以下10匹。
型といえば、この日の昼前に合った赤いボート・赤いロッドの新婚さん、次の日に50kgを釣ったとのこと、釣る人は釣る!
主なヒットルアーは、ヤマリア・ローデッドが6匹、ヨーズリ・ビックブルーブルポッパーが4匹。
費用はこの日程なら航空機・ボート代(釣り&宿泊)全て込みで一人当たり12万円。タイから片道4時間というのが有利だ。
覚悟のいる金額だが、毎月10万円以上釣具を買っている人もよく居るので、ちょっと買うの休めば行けるのは事実(笑)
思い付きでパッと行ける釣りではない。決断と予約が半年前に必要だ。助走は長いが爆発はデカイぞ…といきたいね。
place : Northern Malé Atoll, Maldives
fish : Giant Trevally

2012年10月20日土曜日

GTウッドルアー再生

GTルアーの使用条件は過酷だ。1回でもバイトがあったら、強力な歯の跡が並んだルアーとなる。釣れたりしたら穴だらけ。
釣れずに投げ続けてもフックサークルで塗装はやられる。そのままでは浸水して浮力を失い、動きが鈍ったり沈んだり。
普通の人はGT釣りに行って傷ついたらそれでお終い、思い出に取っておくだけのようだ。
このブログで何度も再塗装の話が出てくるが、「どうやって直すの?」という質問が多いのでやり方を紹介しよう。
まずは傷ついたルアー達を袋に入れてシンナーにどぶ漬け、塗装を剥がす。廃液の捨て場は事前に考慮しておくこと。
分厚いプライマー(下地)のあるルアーでも3回も漬けてこすれば綺麗なウッド無垢になるだろう。必要に応じてペーパー掛け。
次は歯形による傷や穴を別の材で埋めていく。僕は焼酎の空き箱として入手容易なファルカタ材を使っている。
穴を観察するとし、大抵2mm四方、2mm×3mmとかなので、ファルカタ材をカッターで切って小さなプラグを沢山作っておく。
細長い傷には細長いプラグを、浅く広い傷には削り節のような切片を用意すればよい。

次に、材が入りにくそうな穴をカッターで四角い穴に整形。おっ!穴からGTの歯が出てきた!そんなに噛まないでよ(笑)。
穴に瞬間接着剤を垂らし、そこにピンセットで適当な材のプラグを乗せる。固いものを使ってプラグをぎゅっと穴に押し込む。
ファルカタ材は軟らかく、穴に合わせて形を変え、ぴったりと収まるはずだ。

ポッパーのカップの欠けは傷の形を整え、それに合う埋め込み材を作って接着する。
面積の広いフックサークルは削り節材を並べて貼り付けていけばよい。
これらを繰り返すと数十個あった傷や穴もすべてファルカタ材で埋まるだろう。楽しい作業だ。
プラグが傷を埋めた状態で、320番と600番ぐらいのペーパーで表面を滑らかにすれば塗装準備完了となる。
塗装は本格的なハード塗装は必要ないと思う。どうせ1匹釣ればボロボロ。釣れる迄または1日投げられる被服強度で十分。
僕はアクリルラッカースプレーを使っている。日本では500円程度だがタイでは70バーツ(180円)と格安で防水性能はokだ。
各色取り揃えてもたいした出費ではない。但し蛍光色のスプレーは注意。塗装が分厚くて脆く、通常色とは異質だ。
さて、塗装作業はプライマー(下地)から始める。多少の傷は平滑化してしまうプライマー・サーフェサー(グレー)がいいだろう。

プライマーは共通塗料だ。一本ずつ塗ると空中飛散で無駄が多いので、何本かまとめて吊るしておいて吹きつけるとよい。
一回吹いてまだ材のざらつきが表面に出ている場合は、ペーパーでざらつきを取ってもう一度プライマーを吹き付ける。
次は彩色塗装。濃い色なら直接プライマーの上に吹けばよい。薄い色ならホワイトを一回吹いてからとなる。
僕の場合、白かシルバーで全体を塗ってから背中側に彩色したり、マスキングして模様を吹くことが多い。
マスキングは3Mのテープ、ネット、資料のセパレーターに使うプラシートをカッターで切り抜いたものなど好みで使えばよい。
蛍光色ならペイントマーカーが面白い。下地の色を問わないし結構強い塗装膜が出来る。ドットで描けばあなたも山下清。

左が使う道具の数々。パンチ穴補修シールは目玉になる。
右は今回再塗装で釣れた魚たち(クリック)。特にProkic赤白150gは塗装し直すたびにGTが釣れる。もう11匹釣ったよ。
皆さんもちょっとした手間をかけて、殿堂入りのルアー達を復帰させてみてはどうかな。そうしないなら僕にちょーだい(笑)

2012年10月18日木曜日

旅のお供

連載中のモルディブ遠征に連れて行った20個のルアーたち。
前列左6個が7seas製の再塗装品。前列右4個が7seas製オリジナル塗装。
後列左5個がProkick製。赤白のみ再塗装。後列右5個が日本製プラスチックルアー。
RIMG3264 RIMG3215
相変わらず全然お金は掛けていないが、注目は前列にある7seasの赤いアングリーバード。
3/0フック1本掛けで10~20kgがバンバン釣れると言われて買ったが、食いの渋さが遊びを許さず出番無し(笑)。
使ってやる愛情の問題もあるが、釣れるルアーはいつも決まっている。
飛行姿勢が良くて飛距離が出ること、引きやすい・アクションをつけやすい素直な動き、しっかりした作り。これ大事。
値段は関係ない。タイ製GTルアーを舐めていてはいけない。日本人の知らない場所で着々と実績を積んでいるからね。

2012年10月16日火曜日

モルディブGT夏休み ②復活の旅路

ボートは6:20に出発、北マーレ・アトールの西岸を北上した。 アウターはうねりが大きく、キャスト時にボートから落ちそうだ。
8:30にコウジさんにファースト・ヒット。 リップルのロッドにローデッドで掛けて獲ったのは107cm、真っ白なGTだった。
RIMG0197RIMG0205
続いて僕のプロキックBig Mouth赤白に来たのは72cmのスリムなGT。出方は派手だったんだけどな。
9:15、おーさんに今回初の生体反応が出るが掛け損ない。実はこれがおーさんショウの始まりだった。
5分後、おーさんはローデッドに5/0フック1個でガッチリ掛けた。強い引きに必死の表情で艫に移動、銀白の魚体と対面だ。
おーさんの初GTは102cm。「投げ続けた甲斐があった!体がプルプル震えてます」と満面の笑顔だった。
RIMG0218 IMG_4175
震えが治まって再開したおーさんはルアーをポッパーに替えていた。飛行姿勢が悪いと言われる7seasのBighead。
僕の赤白ポッパーの横を飛沫を上げながら併走するおーさんのポッパーに大水柱が上がって竿が曲がる。やられた~(笑)
これはさっきのよりデカイぞ。109cmのグレーのGT。やったぜおーさん、連発じゃないか。
おーさんの3匹目は7seasの赤白ポッパー100gで釣った94cm。おーさんもここまで来れば慣れたもんだが、周りは焦る。
おーさんは7seas赤白でもう一発掛け、2分ぐらいファイトしたのだが、前後のフックを両方伸ばされてバラシ。強烈すぎるぜ。
RIMG0224RIMG0227
ここでコウジさんが今回の主力として持ち込んだヨーズリのBig Blue Bullポッパーが火を噴いた。GT97cmと74cmを連発。
コウジさんは、さらにローデッドで77cmも追加、おーさんに続いて3連発だ。しかし子泣爺さんと僕は事故に泣いていた。
僕は竿先が沖に向いてラインがリールから一直線の時にBig Mouth赤白にガツーンとバイト。衝撃でノット抜け。がっくし。
子泣爺さんは前日に続き折角掛けたGTをラインブレイクでバラシ。次はあと一息という所でロッドが根元から折れてバラシ。
「デカかった…」「竿が折れるなんてもう…」見てるこっちが辛くなるほどの落ち込みようだった。
RIMG0231RIMG0238
ボートは大環礁の北西を進んでいた。爽やかな追い風が熱気を飛ばしてくれる。うねりも収まって投げやすくなってきた。
僕は入魂の結び直しで戦列に復帰し、プロキックの150g大遠投でGT109cmを確保。沖から足元まで非常に力強かったな。
続いて7deasの古い再塗装ポッパーで99cmのGTだ。ダイコーHBGC77BDというシイラ竿で釣ったので楽しかったぞ。
RIMG0245q RIMG0272 RIMG0259 RIMG0268 
午後は再度風が強まる中、ガーファルファルを攻めたがハズレだったな。見切ったコウジさんは2階デッキでお昼寝だし。
僕はバラフエダイのでっかいのとバイト数発。おーさんもローデッドにバイトが出た程度。
復帰したコウジさんが遊びで投げた50gのフィードポッパーに紫色も鮮やかなバラハタが釣れた。
色はグロいしシガテラ毒で有名な魚なのに、クルーは喜んでキープ。おいおい、大丈夫なのか?
RIMG0278aRIMG0279
そんなこんなで、午前中はGT10匹と好調、昼食後は全員GTボウズという2日目が終わった。
ガーファル・ファル環礁で停泊。まだ片目が開かないうちに道具を粉砕されていく子泣爺さんを気遣って、控えめに乾杯した。
例のバラハタが煮付け出てきたが、甘味のある脂がこってり、身質も極上だった。全員あまりの旨さに仰天!
コウジさんが持ち込んだ2日目のDVDはスティービー・ワンダーのライブ。クルー達も熱心に見てたな。
今回は現地2日半の弾丸ツアーゆえあと半日だけ。皆オヤジなので筋肉を傷めており、バーム塗りまくりで最終日に備えた。
place : Northern Malé Atoll, Maldives
fish : Giant Trevally, Red Bass, Coronation Trout

2012年10月12日金曜日

モルディブGT夏休み ①情緒不安定

遅くなったけど、夏休みのモルディブGT遠征の連載開始。
メンバーはインド・チェンナイから子泣爺さん、バンコクからマヒマヒ大王コウジさんとおーさん、シラチャから僕の4名。
夕方にマーレ空港に着きPearlwin Safariに乗船、その日は空港近くで寝るだけ。
GT初めてのおーさんは「情緒不安定です」を繰り返し、準備に不備が無いか、釣りになるのか、ずっと不安がっていた。
そもそも今回の遠征は前回4日中2.5日をボウズで過ごしたコウジさんの熱いリベンジの思いから実現したものだ。
現地は雨季でもあり、厳しい釣りが予想されたが、最低一日一匹、出来ればもっと、ついでに大型もという希望は皆同じ。
翌朝6:00に北に向けて移動を開始した。西風が強くてアウターには出られない。北マーレ・アトール内のリーフを撃っていく。
コウジさんは来るたびにタックルを充実させ、万全の模様。子泣爺さんは前回同様ローデッド中心に攻めるつもり。
おーさんはと見ると、情緒不安定ながら抜かりない数十万円の総揃えに安定したキャスト。全く問題なさそうだ。
僕は手持ちの道具ばかりで、新規に買い足したのは小さなポッパー一つというエコノミー仕様。さて通用するかな?
朝食後、ようやく僕にファーストバイト。7seasの初期のペンシルを再塗装して前後逆付けにした糞ルアーにくっきり歯型が。
続いて子泣爺さんにGTが食ったが、ファイト中に謎のラインブレーク。コウジさんはGTγに歯型だけのバイト。
P9280682klRIMG0169bf
8:30、盛り上がってきた所で僕の糞ルアーにもう一発バイト、乗った!久々のGTの引きには驚くばかりだ。
無事にGT105cmを獲った。ピンと張ったヒレ、巨大な尾。あ~これに逢いに遥々ここまで来たんだ。
ボウズの心配がなくなるとぐっと楽になった。ここで170gのポッパーにチェンジ。あ~、よく飛んで気持ちいい。
これに80cmのチャイロマルハタが食った。海底から水面まで出るハタって素敵だが、不味いらしく、リリース。
この後の午前中は子泣爺さんのローデッドにGTのバイトが集中し、カスミアジも一匹釣れた。
おーさんは「ルアーが重たい」と苦しみながら投げるも生体反応さえ無く、「厳しいですね」と繰り返す。
昼食後は小リーフを次々攻めるがバイト無く、全員の気力にかげりが見えてきた。
15:30、初めてナブラに遭遇、一発で食ったがアオチビキだった。その後にGTが泳いで付いてきた。
「俺が食いたかったのに!」とでも言いたげだったが、こっちのせりふだ。アオチビキはディナーの唐揚になった。
RIMG0187RIMG0188
15:50、次のナブラは遠かったが、何とか150gポッパーを撃ち込みヒットさせた。強烈なラン。だが後がいかん。実にいかん。
まあ大丈夫だろうとソンクラン遠征で使用した6号ラインを巻替えずにそのまま使っていたのだが、突如ブチっと切れた。
GTは首を振ってフックを外したのだろう、へたりこむ僕を笑うかのようにぽっかり浮かんだポッパーが潮下に流れていった。
16:10コウジさんのGTγにヒット。魚はグイグイ下に潜り、フックアウト。「楽勝だと思ったのに…」と失意のコウジさん。
コウジさんによると「GTγは動かし方に技量を要する。速いボートからだとちゃんと泳がせられる距離が短い」そうだ。
この後は僕にバイトが集中した。まず逆糞ルアーに2回連続のバイト。2回目は近場でガツーンと掛けたのにフックアウト。
回収して見ると、ワイヤーかボディから飛び出してJ字型に曲げられていた。大事な糞ルが殉職。何という破壊力よ…。
17時、西日に向かって全員で投げていた時、眩しくて全然見えなかったけど竿にゴ-ンと来て乗った。ビックリした。
これは90cmのGTだった。ルアーはピンクのローデッド、腹に5/0フックのみ、リアフック無し。これお勧めのセッティング。
 RIMG0178RIMG0184
以上1日やって4人でGT2匹のみ、3人がGTボウズという貧果に疲労が重なり、何度も「厳しい」の声が漏れる。
しかし豪華な夕食とワインに「明日は釣れるよ」のクルーのおだてが加わって、皆の情緒が安定してきた模様。
夜のリーフに大きな音でポール・マッカートニーのDVDを響かせ、翌日の豊漁を祈った。
place : Northern Malé Atoll, Maldives
fish : Giant Trevally,