2013年3月29日金曜日

ジギングフック 無結束・無貫通

ジギングフック。不動のメインフックに昇格しながら、未だにアシストフックと呼ばれ続ける不幸な子のお話。
市販品は通常、結んで熱収縮チューブで覆ったり、根付糸中央に針先を貫通させてセキ糸で巻いたりしてある。
僕の自作品は無結束・無貫通、これ。ハリの軸に根付糸を添えてセキ糸で巻いて固めるだけ。瞬間接着剤?ノンノン。
コーティングにはフレックスコートというエポキシを使っている。ロッドビルディング(ガイドを巻いて塗る)に使うあれ。
右下画像をクリック拡大:エポキシ層の下に赤いセキ糸が巻かれ、その下に根付糸とハリ軸が並んで透けて見える。
ハリと各部材が強固なプラスチックで完全に一体化しているので、収縮チューブなどは不要だ。
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チモト補強コーティグのように、ごく少量のエポキシの原液(主剤と硬化剤)を等量に混ぜるにはワザがある。
シリンジ計量など不要。フレックスコートは両液の粘度を合わせてあり、一滴の体積が等しい。これを利用する。
瓶をゆっくり傾けて滴の数を数えるのだ。主剤と硬化剤、同数を攪拌容器に垂らす。針10本なら5滴ずつでOK。
「ちょいちょい、巻いただけでは強度不足、抜けるんではないの」と心配だって?そこの奥さん。
しかし今までのところ順調。2回のシミラン遠征で使い続け、ぐらつき・巻き緩み等のトラブルは皆無だった。
10kg級の魚だったら全然平気の模様。30kgとか超えたらそれは知らん。これで釣ってみたいもんですな。
もし抜けたら、正直にここで発表するから、「抜けろー!」とか呪いをかけて待っててね。

2013年3月28日木曜日

シーチャン島で俺の竿

シーチャン島のアジ釣りに行った。俺の竿プロジェクト(折れた竿を復活させて使う)の実地検証だ。
クリさんと漁レンジャー隊長さんと僕の3人はキャプテン・タンの船に乗った。
連絡船で会った魔寧蛇さんとTakahiroさんは別船でキャスティング専門だそうだ。
揃ってサンパンユ島に行ったが、南西の強風でうねりが高く、一投もせずに風裏に撤収。
避難先のカーム・ノイ島に着いてすぐ真逆の北東強風に変わり、一面の白波の中さらに避難。
追い討ちを掛けるように雨。しかし列島最南端は平穏だった。アンカーをしてじっくり狙うことにした。
復活ラグゼに6HMを装着、ショットガンをシャクると直ぐにカンルアンが食ってきた。
クリさんは、たまたまこの竿が折れた現場に居たそうで、バラマンディに折られたのを見たと。
その用途が語るように、強い腰を持った竿で、きついシャクリも何なくこなしてくれた。RIMG0800 RIMG0757
雨が上がり風も落ちて釣り易くなったのはようやく昼前。岬の少し西側に移動するとここが当たった。
カンルアンの数はそのままに、良型のマテアジが混じるようになった。クリさんも隊長も順調に釣っている。
2人はアジだけでなく良型のアオリイカも数杯釣っていた。そこへ別船でおしゃべりな2人がやってきた。
「天気悪かった~!」「おおっ、ここ追ってくる!」…その騒々しいことw。呼んでないぞ。訊いてないぞ(笑)
彼ら、ようやく列島南端まで来て弓角で食う群れに当たり、納竿までその辺を流しながらキャストしたとのこと。
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僕等の船は岬西側で最後まで粘った。終盤となり、僕が餌釣りを試すと、強烈な当たりと引きが竿を襲った。
俺竿がよく耐えて魚を浮かす。しかし仕掛はカンルアン専用の小針と細ハリス。無理できない。
何度も走られてはラインを回収。焦らずゆっくり時間を掛けて上げるぞと決めた。
やっと寄せたと思った頃、仕掛がガシッと根に引っかかって動かなくなった。粘ったが無念のハリ外れバラシ。
船頭が「ここは珊瑚があるから早く上げなきゃ!」それを早う言うてんか…。ああ残念。コビアかチョンガームだろう。
でもまあよしとするか。3人ともクーラー一杯のアジ類を揃え、実に楽しい豊漁釣行だった。
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翌々週はJ2さんEakさんTomさんと4人で再度シーチャン島へ出かけた。
キャプテン・タンは南西風をおして西岸へ。まず展望台のある岬の前、次はタンパンビーチ北の岬前と転戦。
波風強く、白波が磯に砕け、船が上下に大きく揺れる。アジの群れは薄い。忘れた頃にマテアジがポツポツ。
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揺れが激しいので立っての弓角キャスティングは不可能。寝るのすら無理。
群れが薄いのでショットガンは効果が無い。餌で粘るしかない。
粘るしかないのはもう一つ理由があった。船のバッテリーが消耗、エンジンが掛からなくなって救助待ちだったのだ。
マテアジに混じってウメイロやピヤが強い引きを見せる。J2さんはエギングでアオリイカを6杯。
海が初めてのTomさんは師匠のEakさんを圧倒する釣果で嬉しそう。Eakさんはマブタシマアジ大以外はいいとこなし。
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僕は一日中餌釣り。マテアジ一荷やウメイロ良型など、俺竿は難なく釣果を伸ばしてくれた。嬉しいね。
前回120匹のカンルアンがゼロだけど。ということで俺の竿プロジェクトの1本目は上々の成績で2回のテスト釣行を終えた。
折れ竿よ、蘇った俺竿よ、これからずっと僕の釣りを支えておくれ。
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place : Ko Sichang
fish : Yellow Tail Scad, Red Bellied Fusiler

2013年3月24日日曜日

Room 335 / Larry Carlton

1978年の大ヒットアルバム「夜の彷徨」の1曲目。皆で聴いたよな…いい時代だった。
ギターを高く構え、甘いメロディーを「顔で」弾くスタイルは今も昔も変わらない。
このモントルー・ジャズフェスティバルでの映像、2:00からメインテーマが立ち上がる。
2巡してからの4分~6分の演奏はどうよ!奔放かつ豪快に伸びる伸びる。超ご機嫌。
家族がタイに遊びに来てパタヤのホテルに泊まった時、部屋番号が335。
とーぜん、この曲がずーっと頭の中にグルグルと(笑)

2013年3月21日木曜日

タルタオ島 東岸余話

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タルタオ島の東岸を地図で見ると、島からやや離れてずらりと小島が並んでいるのが分かる。
珊瑚礁や小ビーチを抱える島から島へと、景色の変化を楽しみながらキャスティングするのはとても楽しい。
今回魚が釣れたのはレック島、プタオ・マ島に近い本島の浅場、そしてクラン島だ。
そのクラン島を望む中部には、かつての海賊たちの出撃基地があり、切り立った島に向かう桟橋が残っている。
その周囲には美しいマングローブが広がっている。マングローブ・ジャックが居るらしい。
しかしマングローブでのルアーキャスティングは実に難しい。雰囲気は抜群。だが、釣れない。
適当に投げても泥底で釣れる気がしない。でもタイトに狙うと木を引っ掛ける。
マングローブで魚を釣っている写真をよく見るのだが、激しく問い詰めたい:「どうやって釣ったの?」と。
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空にウミワシが舞い、磯にカワウソが遊ぶこのタルタオ島東岸。また行きたい。何度でも行きたい。
そこは観光客皆無の地上の楽園。いつまでもこのままであってほしい。

2013年3月10日日曜日

タルタオ島 東岸開拓

朝5:30にパクバラのラングー川河口から出船、タルタオ島を目指した。
前日絶不調だった西岸は無視して、東岸に並ぶ島々をレック島から攻めよう。開始早々反応は多いが、ダツのようだ。
レック島南端、潮が複雑に絡みベイトフィッシュが光る。ここで魔寧蛇さんのシーバスロッドが大きく曲がった。
初めは「ダツ、ダツ」と軽口で賑やかだったが抵抗を繰り返す魚に無口になる。無口な魔寧蛇さん見たことあるか?
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いい型のプラー・モンを無事キャッチ。そして直後に同じ場所で魔寧蛇さんに再びヒットだ。おいおい、こっちにも食ってよw
今度は「こんな時に限ってシーバスロッド」「全然浮いてこない」と言ったきり無口に。僕は「巻け巻け!」と囃したてる。
魚が底で粘るので多分クイーン・フィッシュ、と思ったらやっぱりそうだった。魔寧蛇さん、予想外の朝イチ連発に「帰ろかっ」。
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その後ボートは南に向かって、タルタオ島本島の磯と沖に南北に並ぶ小島をジグザグに攻めていった。
タルタオ島東岸は切り立った石灰岩の島もあって変化に富んでいる。よく晴れて穏やか、景色をより美しく引き立てる。
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タルタオ島本島の何気ない珊瑚の浜で魔寧蛇さんがプラー・モンを追加。僕も同型のプラー・モンを弓角でキャッチした。
オーバーフィッシングの果て、タイランドでGTを釣るのは既に難しい。型は置いといてもうちょい釣れてほしいのが本音。
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船頭は長い間「東岸はプラー・モン居ない」と言っていたが、この日「居るじゃん」と言ったら苦笑してた。知らなかったのね。
タルタオ島東岸ならパクバラから1時間以内で釣り開始できるのも魅力だ。次回は真面目にポイント調査でもしてみるか。
place : Ko Tarutao, Satun Province - Southern Thailand
fish : Giant Trevally, Talang Queenfish

2013年3月6日水曜日

タルタオ島 西岸静謐

魔寧蛇さんの盲腸手術で日程が行ったりきたりして、この釣行の決定は6日前という慌しさ。
当然飛行機はアホみたいに高くなり、ボウズを食らう前から萎えてしまったが、きっと海は癒してくれる。
土曜の昼前、タルタオ島の北の割れこでキャスト開始。魔寧蛇さんは第一投で高価なシンペンを単独飛行ロスト。ぷっw
南へと探っていくが、魚の着き場のはずの各ポイントは相談したかのように一様に静かだった。
こうなるとまず釣れない。どこへ行こうが何を投げようが関係ない。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA沖で読書&浜で休憩
「リュージョンは同行者に対し絶対に上陸や休憩を許さない」という噂を吹聴する輩の影響を受け、警戒する魔寧蛇さん。
折角高い金払って遠くまで釣りに来てるのに、酒飲んで寝たり遊んでたりしたらもったいないな、と思ってるだけだす。
僕がアオ・ソンというビーチに上陸して写真を撮ろうと言うと、魔寧蛇さんは「駄目だと思ってました」と子供のように喜んだ。
日差しがイマイチだったけど、ちゃんといい写真が撮れたのだろうか?
OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAまた読書&ちょっと釣り
その後、満潮で水たっぷりの河口のマングローブに入って遊んだりしながら、さらに南に向けて移動して投げた。
途中、1m以上の大きな赤いサメ(ツマグロ)が魔寧蛇さんのトレーラーを追いかけて食いそうになり、2人で大騒ぎだった。
最後、タルタオ富士の麓で小型のプラー・モンを釣ってパクバラに戻ることにした。
二人ともプラー・モンとクイーンを各1匹だけ。最近こんなんばっか。ここが本当に釣れないのか日並みなのかよく分からない。
まあ、過去の釣れた日々の思い出が消え去るわけでもないので、この日の海の静けさをそっと受け入れる。
OLYMPUS DIGITAL CAMERARIMG0684海で寝て海を食う幸せ
晩はビーチのレストラン街で旨いシーフードを満喫。周りは大宴会でうるさかったけど魔寧蛇さんが居るので全然平気(笑)。
place : Ko Tarutao / Satun Province, Southern Thailand