2013年2月24日日曜日

俺の竿プロジェクト

釣りの新年会の時に「折れて要らない竿が家にあったら持ってきてください。」と頼んだら、結構集まった。
折れた竿同士の使える部分を組み合わせ、実戦で使えるように蘇らせようという「折れの竿プロジェクト」がスタート。
今日の一本は7ftのベイトキャスティングロッド。2オンスキャストできるフレッシュウォーター・ヘヴィアクション。
先20cmほどが折れて無くなっている。別の竿の穂先(テイップ)を繋げばよいのだが、ポイントは接ぎ方だな。
印籠継ぎにして外側から補強パーツをかぶせ、丁度その位置にガイドが来るように再配置することにした。
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まず先端探し。シーバスロッドがいいかな。外径をノギスで測って合わせてその位置でカット、20cm追加で原状復帰だ。
次は印籠の中子の製作。肉厚のトローリングロッドのバット部分からカーボン素材を切り出し、ペーパーで棒状に削る。
長さは2cmちょっと。元の竿と新しいティップは内径が違うので、印籠の中子の半分ずつをそれぞれの太さに合わせて削る。
そして継ぎ目を外側から補強するパイプ状の部材を他のロッド廃材から切り出す。ティップを中子と補強カバーで接着。よし。
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次は、付いていたガイドを先端から2個外し、それぞれ少しずつ手前に移動。新しいガイドを接合部の真上とその先に追加。
こうすれば、接合部の曲がりにくさの罪が、そもそも曲がりにくいガイド位置と重なり、帳消しになるわけだ。
スレッドでガイドを巻いてエポキシで固めれば…デキポン!こうして廃材の中から臨戦状態の竿が突如現れる。
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殆どがまかつのラグゼ、ティップがダイコーのデスペラード、追加ガイドがエバグリのヘラクレス、内外接合子はダイワ。
本体及び部材を提供いただいたHideさん、Leoさん、J2さんありがとうございました。
部材が各々の使命を得て第二の人生を歩み始めたこのロッド、魂注入に行かねば。まずはアジのサビキ釣りかな(笑)RIMG3886
シーチャン島で俺の竿 ←ここにこの竿での実釣テストの様子

2013年2月20日水曜日

バンサレーで黄金シマアジ

山ちゃん、シーちゃん、Hideさんと4人でバンサレーから出船した。
キャプテンはスウィット。ほぼ毎回出船時間に遅刻、その上カマっぽさが怪しいが、ここんとこ人気の船頭だ。
その理由は、第一にアンカーせずに流す操船が上手く、任せて安心なこと。
第二に燃料を食うポイント移動を厭わないこと。ともにルアー釣りでは不可欠の要素をちゃんとこなす。
珍しく指定の7時に出船、水道を抜けてクラム島南岸を西へ。二つある大きな沖磯と岬の辺りを流すことにした。
水深は40m以上あった。これは予想外に深いな、ちゃんとしたジギング道具を持ってくれば良かった。
だが全員アタリが無い。深ければ釣れるというモンではないのは分かっているが…。
以前この辺でリュウキュウヨロイアジやマテアジがショットガンで良く釣れたの思い出してやってみたが不発。

RIMG3810  艫でシャクるHideさんと僕は小ハタ少々で苦戦を続けていた。
しかし山ちゃんは釣ったね。フエダイとハタを数匹、連発で上げて大忙し。
何が違うんだ~?
クラム島南岸はヒデさんと僕に微笑まず、まともなのは各1匹だけ。ここから船頭は長いポイント探しの旅へ。これが裏目。
その間に弓角も投げたが、無数に居るベイトフィッシュが安心しきって漂っている状況では何も食わない。
そんなこんなで、まともなハタを釣ってから5時間にわたって釣果なしというヒジョーに厳しい試練。暇だ。眠たい。
船頭は次第に港に近い方に移動していたが、納竿近くなって何を思ったか突然反対方向へ南下した。
僕は根掛かりトラブルで丸坊主になったタイラバに、大きめのハリを結んでタコベイトを付けた。
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船頭は潮の速い水道中央を選んで船を流した。糸と仕掛はザーッと潮下に持っていかれる。
こんな状況で糸を出しながら無理やりシャクっては落とす。ズル引きに近い動きになっていただろう。
するとガツーンと手に来てドラグが反転。ついに来たのはイトヒキアジ?コビア?ファーストランで期待したほど大きくない。
1980年製のダイワ6HMがゆっくり魚を寄せ、玉網に収まったのはコガネシマアジの64cm。ここらで最高峰のお魚\(^o^)/。
英名はGolden Trevally。タイ名はタコン・ルアン。底物食いの王者。120cmまで育つらしいが、この近辺では70cmどまり。
複数釣ったことのある人は少ないだろう。自分としては、以前釣ったのより大きくて大満足だ。思わず「帰ろかっ!」
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何だかんだでお土産一杯の山ちゃん・シーちゃん、この日だけは不完全燃焼のHideさん。皆も一斉に納竿とした。
不調の間も手を抜かず頑張っていたら最後に海が微笑んだという、人生訓のような釣れ方だったね。
これで僕はタイランドで釣りたかった海の魚はほぼ制覇。あとはバラマンディだけ。
無理っぽいから、のんびりキスや小アジでも釣って過ごそうか。とりあえずこの日はよかったよかったw
place : Bang Sare
fish : Golden Trevally

2013年2月19日火曜日

寡黙なタルタオ島

コウジさんとサトゥン・タルタオ島へ行った。土曜の昼から日曜の夕方までの釣りだ。
タルタオ島が満員で宿泊できず、またかつて無いほどアタリがなく、空振りに終わっってしまった。
地味な内容で申し訳ないが、せっかく行ったのだから書き残しておくか…

RIMG0647 土曜の10時に現地に着き、コンビニで買物してから船頭の家に行く。
港ではなく、船頭の家から直接船を出す。伊根の舟屋みたいな感じね。干潮だと悲劇で、船が泥の上にドカンと乗ってて動かない。
この日は満潮、なみなみと水路に溢れる海水を蹴ってロングテールボートの出発だ。
RIMG0649 タルタオ島の北磯中央でルアーを引くコウジさん。
ここは最近いつ来ても釣れるのでお気に入りだったのに、全く生体反応がない。景色はいいし鳥の鳴き声に囲まれて和むんだけどな。
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宿の確保に失敗、南下しながら磯に向かって投げ続けるが連敗。
やっと12番磯でコウジさんがプラー・モンを釣る。
富士山麓でも同型をもう一匹。
RIMG3618 土曜の晩はコウジさんと飲んだワインとビールでべろんべろん。真夜中に気付くとバンガローのベッドで大の字。は~、用意しなきゃ。
日曜日の朝、ラングー川の河口から船を出した。美しい満月が輝きながら沈んでいく。
この30分後には反対側から真っ赤な太陽が昇ってきた。
釣れもせんのに朝も早よからご苦労様なこってす。
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コウジさんが岸スレスレでフィードポッパーに食わせた。
僕は弓角を投げて1匹。コウジさんが落としちゃったけど猛抗議の結果認定(笑)。
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美しいアオ・ソンのビーチに上陸して、ウミガメにも似た一仕事を。う~ん、この達成感。釣りだけが人生ではないのだぞ。
place : Ko Tarutao
fish : Giant Trevally

2013年2月18日月曜日

シーチャン島 終わったな

ZAKIさんの魅力的なお誘い。「ロイ島発着でシーチャン島にイカ・アジ釣りに行こきませんか?」、迷わず乗った。
シーチャン島にある中国寺院への参拝客が増えるこの時期は連絡船が大混雑。ロイ島発着はとても助かる
キャプテン・チョーワッタナーはまずサンパンユ島の東1kmの根の上に付けた。ここは前回イカが良かったそうだ。
僕は朝イチの魚の活性の高い時間帯に釣っておこうと弓角を投げた。直ぐにマブタシマアジの小型が連発だ。
エギングの皆はイカの気配無く、首をかしげていた。一方僕の弓角は快調、遠くでゴーンと何かがヒット。
長い距離を楽しんで取り込んだのは49cmのマブタシマアジ。「いい感じ、今日は楽勝だな」、そう思ったのがいかんかった。
船はサンパンユ島、シーチャン島西岸2箇所、カンカオ島2箇所、ランドクマイ島、カームノイ島と有望ポイントを周回。
しかしチョーワッタナー船頭はことごとく外した。1箇所・一瞬だけマテアジの群れに遭遇したが、ほぼそれだけ。
全員アジを釣るのに四苦八苦。そんな状態がずっと続いた。それと、客は我々6人だが、何だか狭いのよねん。
船頭と助手が中央の一番釣りやすい場所にドンと座って釣るもんだから(笑)。
そんな船頭が高級魚コガネシマアジを釣り上げた。「頂戴」と手を出すと船頭は明らかな抗議の表情。
そこにすかさずコウチャンさんが横から出てきて、「これ貰うよ」とシマアジを持っていった。バンコクでの宴会用ね。
船頭「あの魚は1kg100バーツ以上してうーだらこーだら…」とぼやくことしきり。ワロタ。
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早めに切り上げ、沖で米を積み込む大型船から漂うヌカ臭い風の中、ロイ島まで戻った。
結局僕はマブタシマアジとマテアジを10匹ずつ、大好きなカンルアンを25匹。一応食料調達はできた。
全体としては釣果不振で物足りなかった。船頭のせいなのか海況のせいなのか?
しかし、この日が「超終わったな~」と皆に言われている点から見て、船頭のせいだろう(笑)。
ま、楽しかったし。ロイ島発着が高ポイントの釣行だったね。企画のZAKIさん・同船の皆さんに感謝!

2013年2月17日日曜日

シラチャで手漕ぎボート

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シラチャのKurtさんの家の前から、ちょっとだけボートを出してみた。
満潮の岸辺を小さなボートで迎えに来てくれたKurtさん。ううむ、そのボート小さくない?
予想通り、僕が乗ったら見事に船べりから大浸水した。退避~!
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森を抜けて歩き、カニ漁師から一回り大きいのを借りて出直し。ムール貝養殖棚まで漕いでボートを舫った。
Kurtさんは貴重な活きエビを用意してくれていた。これがあるとフィッシュイーターも狙えるのだと。
しかし活きエビは万能餌であり、入れた瞬間に小魚の猛攻でエビがなくなってしまう。
クロホシフエダイやコロダイの幼魚、それにフグが入れ食い。
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この辺でもしマイ手漕ぎボートが有れば、もう少し沖に出てエビの切り身でキスを狙うのが一番正解だと思う。
その後Kirtさんの投網やバラマンディを狙う地元釣師の様子を見せてもらって帰宅した。
シラチャの海岸にはまだ田舎がそのまんま残っている。気持のいい休日の朝だった。

2013年2月12日火曜日

1812 Overture Drums Solo / Cozy Powell

今は亡きハードロック界の名ドラマー、コージー・パウエルのドラムソロが好きだ。
曲はチャイコフスキーの「序曲1812年」。侵攻してきたナポレオン軍をロシアが蹴散らした故事。
ロシア帝国国歌がフランス国歌を押しつぶし勝利の号砲で締めるという、ナショナリズム丸出しの曲。
ソロ前半は華麗なダブルベースを見せる。後半、1812年のメロディーとともに繰り出すアクションが見ものだ。
大鷲のように両腕を広げ、時にはクロスさせ、周囲に配したシンバルをこれでもかとブッ叩く。
最後、God Save The Tsarの旋律に乗せて、両手・両足総動員のパワープレイが炸裂する。
高校生の時、このソロを武道館で2度見た。震えた。今でも凝視してしまう。テクじゃない。見ればわかるその魔力。
ドラムスのミキシングが一番大音量だった時代に、ダブルベースで短い生涯を駆け抜けた最高に格好いい男。
映像はRainbowの1977年のミュンヘンでのライブ。Still I'm Sadの途中にこのソロが入っている。正座して見てね。

2013年2月7日木曜日

ハリは本結びで結ぼう ④完成

How to tie a snell knotの最終回。
巻き終わったら、左手に持ち替える。巻き付け部分全体を緩まないようにしっかりと持つ。
右手でハリスを引いて締める。仮締めなので余りきつく引っ張る必要は無い。
ハリを右手で持ち替えて、余り糸を引いて締める。手で引いてもよいが歯の方がやりやすい。これも仮締め。
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仮締めが終わった状態では、結び目はチモトでなく、ややフトコロ寄りにあるはずだ。
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そこで、結び目をチモトまでズズッと移動させる。ハリスが必ず内側から出るように、必要なら回す。
次は本締め。余り糸を歯で、ハリスを右手で持って、ぐいっと完全に締める。
余り糸を切断して完成だ。巻き糸は重なり無くきれいに並んでいるだろうか?
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よく見てほしい。ハリスはハリ軸に沿って進み、巻き糸となって戻り、余り糸となってもう一度巻き糸の中を抜けている。
外掛け結びや内掛け結びに見られるような、巻き糸の外側に一本掛かっている糸が無い。屈曲点も無い。
また外掛け結びや内掛け結びのように「輪の中に糸の先端を通す」という作業が無い。
簡単で美しくて強い。本結び。スネル・ノット。コレ、いいんではないか?
連載の構成はこちら↓
ハリは本結びで結ぼう ①まずは動画で
ハリは本結びで結ぼう ②前半(巻き始め)
ハリは本結びで結ぼう ③中盤(巻き終わり)
ハリは本結びで結ぼう ④完成

ハリは本結びで結ぼう ③中盤

How to tie a snell knotの続き。
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輪の中には左手の指が2本~4本入っているはず。
左手人差指と親指で持っている巻き付け最中の糸を放す。
左手を放している間は、右手の指で巻きが緩まないようキープしておかなければいけない。
輪の中で左手を時計回りに180度回転させ、巻きつけ中の糸を左手人差指と親指でつまみ直す。
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ここから2周目だ。向こう側に引っ張って下向きに巻く。そしてハリの手前側にきたら下から上へ張ったまま巻く。
上まで来たら捩れて巻けなくなるので、再び左手を放し輪の中で左手を回転させて巻き糸をつまみ直す。
巻いてつまみ直して、巻いてつまみ直して…この繰り返しだ。だいたい5回から7回巻き付けるとよいだろう。
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今回の部分の説明は書くと難しそうだが、慣れればなんでもない。目を閉じていてもできる程だ。
あとは締めて余り糸をカットするだけだが、注意事項まで入れると画像が多くなるので次回。
連載の構成はこちら↓
ハリは本結びで結ぼう ①まずは動画で
ハリは本結びで結ぼう ②前半(巻き始め)
ハリは本結びで結ぼう ③中盤(巻き終わり)
ハリは本結びで結ぼう ④完成

2013年2月6日水曜日

ハリは本結びで結ぼう ②前半

How to tie a snell knot①の動画は、環境によって再生できたり駄目だったりするようだ。そこで画像とテキストで解説しよう。
まずハリを左手で保持。軸を底辺とする輪を作り、持ち替えて右手でハリのチモトを持つ。
余り糸先端の位置は出すぎ引込めすぎに注意。ゲイブの底ぐらいまでの長さを意識しよう。
輪の大きさも注意。大きいハリなら左手の指が余裕を持って4本入る直径、小さいハリなら指2本入る直径で。
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①の動画でアップした通りなのだが、ここからどうするか?
内掛け結びは、余り糸の先端を持って輪の中をくぐらせながらハリ軸を巻いて最後に締めるのだが、本結びは違う。
輪の円周のうち、上方向に立っている糸を左手で持ち、ハリ軸とハリ軸に沿わせた2本の糸を同時に巻いていくのだ。
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向こう側に引っ張って下向きに巻く。そしてハリの手前側にきたら下から上へ張ったまま巻く。
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これで一周巻いたのだが、ここで困ったことが起こる。どんどん軸を巻いていくはずの輪にヒネリが入って巻けなくなるのだ。
ここは右手親指または中指で、巻いてきた糸をハリ軸に押し付け、緩まないように保持する。さて次はどうするか?
連載の構成はこちら↓
ハリは本結びで結ぼう ①まずは動画で
ハリは本結びで結ぼう ②前半(巻き始め)
ハリは本結びで結ぼう ③中盤(巻き終わり)
ハリは本結びで結ぼう ④完成

2013年2月5日火曜日

ハリは本結びで結ぼう ①まずは動画で

キス釣り仕掛連載とともに「本結び(スネル・ノット)がよく分からない、解説しろ」という声がグローバルに噴出した。
この結びは解説するのが異様に面倒くさい。しかし僕は重い腰を上げて連載開始。
世界の釣友が、消え行く僕などではなく、生涯の友を得ることができるのだから。

How to tie a snell knot video … 大げさな(笑)
続編はこちら↓
ハリは本結びで結ぼう ②前半(巻き始め)
ハリは本結びで結ぼう ③中盤(巻き終わり)
ハリは本結びで結ぼう ④完成