2012年4月29日日曜日

モルディブGT遠征 ④3日目も苦戦


アンカーを上げたボートは大環礁の縁を北に向けて進んだ。
前回日本からのグループが数釣り好調だった場所だ、状況は良くなってくる、と聞かされた。
しかし実際には非常に厳しかった。午前中は3人で数回のバイトを貰っただけ完全ボウズ。
炎天下で体力の消耗が激しい中、僕は150gポッパーでGTを3回出したのだが、どうしても掛からない。
昼食後、ついに子泣爺さんが強烈なバイトを掛けた。糸の出が止まらず、子泣爺さんはすぐに汗だくだ。
艫に移動した頃、魚も見えてないのにクルー達が「サメ、サメ」と笑っている。見えてきたのはツマクロ。
船がギューンと前進するたびに大きなサメがどーっと後方に流され、巻いても巻いてもきりがない。
やっとローデッドを咥えたツマグロがリアデッキに上がってきた。
疲労困憊の子泣爺さん、「絶対GTと思ったのに…。あれ釣ったらGTは上がる」
そして、「ファイト5分と聞いてびっくり。死ぬ程長かった…」とも。楽しいことは短いが苦しいことは長く感じるからね。
P1010379sRIMG2645
ボートは好ポイントでも結果を出せないまま、ガーファル・ファル大環礁に移り、そこを反時計周りに進んだ。
あまりの釣れなさに断酒を破ってロング缶ビールを飲んでしまったコウジさん、一撃でダウン(ほらほら)
ルーフデッキのベッドでコウジさんがお休み中、やっとこの日の遅いドラマが始まった。
13:40、子泣爺さんのローデッドにミスバイト。「あぁ~」と声が上がる。しかし直後で来た再バイトをガツンと掛けた。
子泣爺さん99cm真っ黒のGTをキャッチ。「サメの引きの半分以下。でも黒が綺麗、顔がいい!」とご機嫌だ。
続いて10分後、また子泣爺さんがGTをフッキング。今度は真っ白な93cmのGT。子泣爺さんのローデッドが好調だ。
不調のコウジさん、「もうなりふり構わない」と手持ちルアーの総動員をかけたが、バイトは殆ど子泣爺さんに出るのね。
RIMG2647RIMG2650
僕は15:00、ようやくProkik Bigmouthの遠投でGTを掛けた。95cm、この不調の中、満足、満足。
夕方は子泣爺さんがバラフエダイ、コウジさんがスマガツオと、久々に食料調達に成功。その分、夕食は豪華だったね。
期待の3日目も苦戦。特に2日連続GTボウズのコウジさんは冴えない表情。不運もあるがバイトの絶対数が少なすぎる。
最終日はクルーは「帰ろかモード」になるので午前中が勝負になるだろう。あきらめずにキャストを続けるしかない。
僕は右投げと左投げを織り交ぜているので暑さ以外の疲労は無いのだが、コウジさんと子泣爺さんはかなりお疲れの模様。
僕が持っていった筋肉痛用の軟膏をやたらに使って「コレが無かったら釣りできてない」と笑う子泣爺さん。頑張ってね。
P1010433 RIMG2662
place : Northern Malé Atoll & Gaafaru Falhu Atoll, Maldives
fish : Blacktip Reef Shark, Giant Trevally, Red Bass

2012年4月24日火曜日

モルディブGT遠征 ③強運3連発

2日目、曇り空。あちこちに積乱雲からグレーの雨の幕が降りていた。
ボートは北マーレ環礁の西岸を釣りながら北上した。実績場である。
「朝はナブラがある」、「朝のうちは黒いルアーがいい」とか散々期待させられたが、全く駄目。
朝食後の10:30、子泣爺さんのローデッドに強烈なバイト。魚は珍しくぐいぐい潜る。子泣爺さん、懸命に竿を立て応戦。
しかし魚は根に入って動かなくしまった。1回出たが、傷付いたラインはその後のファイトを許さず、痛恨のバラシ。
多分、良型のハタだろう。ぜえぜえ言ったまま悔しがる子泣爺さん、頑張れ~。
僕はタイ製ポッパーProkick Big Mouth 150gを投げていた。大水柱のバイト!しかしポッパーの顔にガブリと歯型だけ。
あと少し噛む位置がずれていたら釣れていたのに…。しかし暫くしてもう一度Big Mouthに大魚信。今度はガッチリ掛かった。
僕としては十分な107cm。画像の背景にレッドヘッドに塗ったBig Mouthが見えるかな?飛んで釣れる優秀なポッパーだ。
RIMG2600
次は、皆がキャストに疲れてきてキャビンの中を「ごはんまだかな…」とチラチラ見始めた12:30、僕の新兵器にヒットだ。
3月末に日本で買ってきた「ダイワ・ソルティガ・バブルメイカー」、長さ30cm、重さ170g。これに前後5/0のフックを装着する。
投げ続けるには重いが、引き抵抗は小さいのに名前どおり見事なポップをする。安くても造りがいい。
尻尾に付いてた金属ペラが脆弱にも脱落すると、俄然飛行姿勢が良くなり、飛ぶようになった。
ハイエンドのペンシルを投げ続けるコウジさんの横にこれを投げ込むと、すまんがドッカーン。こいつはよく引いたぞ。110cm。
 RIMG2540 RIMG2626t
魚をリリースしてヘロヘロのままキャスティングに戻った。その2投目、またバブルメイカーにザバーン!
その瞬間、ペンシルを僕のポッパーに併走させていたコウジさんが言った。「どうして俺のに来ないっ!」
魚は始めはこっちに泳いでくるだけで、付いてるのかと思うぐらいの手応え。しかし底へ後へと走り出した。これが凄い力。
その上、魚がバテない。サメじゃないかと思った。ボートは前の2人のキャスティングのために無情にも前進を止めない。
魚は後へと走る。魚の引きとボートの推力の両方を竿で受け止めてラインを回収しなければならない。
巻けないどころかポンピングさえ許さないほどの重み。やっと巻いた分をまだジャーっと出されて辛い。
ようやく艫の真下まで寄せて、垂直リフトに移った。階段を降りようとしてコケかけたので、クルーがロッドを支えてくれた。
こっちも酸欠なので時間が掛るし魚が弱るし、最後はクルーにアシストしてもらって浮かせたら、どーんとデカイの。
アシスト付きなのでなんちゃって釣果なのだが、まあ気にしない(笑)、自己最長GTは129cm、30kg。
リリースを急いだので膝乗せ写真が取れなかったのが残念だが、なんちゃって釣果なので顎乗せ写真で我慢だ。
RIMG2630bRIMG2633
真っ白で傷の無い伸びやかな魚体は、惚れ惚れするほど美しかった。
でもこの時は、もうこんな大きいのは要らん、小型を楽に釣らせてくれと正直思ったね。デッキに倒れこみ「帰ろか…」と呟く。
僕の3連発で昼食となり、午後も3人で頑張って投げたが、数バイトあったのみ。
バイトは子泣爺さんのローデッドに集中したのだが、3/0のフックでは掛かりにくいようでキャプテンから苦言をもらった。
結局2日目にGTを釣ったのは僕だけで、コウジさんと子泣爺さんはGTボどころか完全ボ。竿を置きぐったりと座り込む2人。
大惨事であるが、これはただの運だから恨まないでね。無線情報によると他船もボとか1匹とか…。まだ2日ある!
place : Northern Malé Atoll, Maldives
fish : Giant Trevally

2012年4月20日金曜日

モルディブGT遠征 ②各自少々

初日の午後編。13:00、昼食もそこそこに炎天下に飛び出した3人のオヤジ。
クルーからは「カスカスカース!ノーカス・ノーGT!」(キャストね)の激励が飛ぶ。
すぐにナブラに遭遇、キャストも決まってコウジさんのカーペンター・ブルーフィッシュにヒットだ。
73cmと小型だったが、スレ掛りのため「座布団かい…」と苦戦。
RIMG2579RIMG2582
コウジさん、今までの釣りでは1時間おきのビール補給のためか、午後からガクッとペースダウンしていた。
そのコウジさん、このモルディブ遠征ではまさかの昼間のビール断ちを敢行、見違えるような持久力を見せていた。
何でも先日、釣堀で飲みながら釣っていたら3分間ほどフラッシュアウトして、大いに反省したとのこと。
しかし節制の甲斐なくこれ以降コウジさんを襲った悪夢は一体何だったのか?天は人の営みを軽々と無視するものである。
RIMG2583RIMG2585g
続いてのヒットは僕の竿に来た。ルアーは7seasのラプターというポッパーをピンクに再塗装したもの。
ナブラの中心にポッパーが入るとドバーンと出た。気持ちいい!GT93cm。
しかしこれが最後のナブラ撃ち釣果になるとは…誰も予想していなかった。
ボートは北マーレ環礁の西岸に至り北へとルートを取った。実績場所に期待が膨らむ。
しかし3時間ほどの間、大きなバイトを3人で悉く掛け損なってしまった。残念でならない。
ようやく陽も傾いた16:30、子泣爺さんが81cmのGTをヤマリア・ローデッドでキャッチした。
子泣爺さん:「上出来ですよ。この大きさでこんなに引くなんて…20kgが来たら腰がもたない!」
RIMG2589RIMG2593
ということで、初日は少ないながらも全員がGTを釣ることができ、何とか格好が付いた次第。
納竿後に艫でエギをシャクった子泣爺さんが大きなコウイカをキャッチ。甘味あふれるイカ刺が食卓を飾った。
place : Northern Malé Atoll, Maldives
fish : Giant Trevally

2012年4月18日水曜日

モルディブGT遠征 ①脱スロースターター

タイのソンクラン休暇を利用して、現地4日間の日程でモルディブに遠征した。
発起人のLeoさんは日本に帰任して参加不可となり、バンコクのコウジさん、チェンナイ(インド)の子泣爺さんと僕の3人。
出発前日夕方にスマトラ沖で大地震があり、インド洋全域に津波警報が出た。何という!
情報収集の結果、モルディブでは避難で大変だったようだが、津波被害は全く無かったことを確認。よし、決行だ。
初日は北マーレ環礁の南部内側を北西方向に横切りながら釣り、さらに環礁西岸を北上するコースを取った。
大環礁の中に無数のリーフがあって次々攻めるのだが、1リーフで1匹釣れれば上出来とのこと。
大環礁のアウターの方が概してGTが豊富だという。
RIMG2546RIMG2550
朝食直後の8:30、3人のトップを切ってコウジさんが掛けた。新しいカーペンターの竿に同社のルアー「ブルーフィッシュ」だ。
コウジさん、終始笑顔でやり取りを楽しみ、艫でキャッチしたのは109cmのGT。
「ま、普通かな。やっぱハイエンドやな。あれだけ金掛けたんだしな。」
「これでもうスロースターターとは呼ばせない。精神的に楽だ!」とご機嫌なコウジさん。
ブルーフィッシュRIMG2552RIMG2554
9:30、サブロッドで投げていた僕のローデッドに大魚信。しかしファイト時間短くバレてしまった。
直後、僕のローデッドにまたヒット、今度はガチ掛かり。ダイコーHemingway HBGC77BDは余裕で99cmのGTを浮かせた。
ああ、来た甲斐があった。1日1匹の目標を早く達成して一安心だ。
子泣爺さんは朝からローデッドばかり投げている。インドでこれでGTを釣ったからお気に入りらしい。
しかし来たのはアオチビキ。「美味しかったです。皆に喜んでもらえて嬉しい」とはその晩の子泣爺さんのコメント。
RIMG2559h RIMG2561
午前中は各自1時間に1発程度のバイトがあったが殆ど掛からず、「ごはんだよ~」の声に道具を置いてキャビンに向かう。
すかさずコウジさんの竿でキャストしたオフィサーのクレちゃんが、一発でGTを掛けた。強烈な三段合わせを見舞っている。
「コウジさ~ん、クレちゃんがコウジさんの竿で掛けたよ~」
コウジさんは、「いいよ…(客が投げてる時に食えよ…)」とおかんむりのまま食卓へ。
それではと僕が竿を受け取って引きを楽しませてもらった。上がってきたGTは104cm。GTγで釣れた唯一のGTがこれ。
RIMG2565f RIMG2577
コウジさん、リュージョン、中乗り君とGTを釣って、まだの子泣爺さんにプレッシャーが掛かる。
しかし子泣爺さんは炎天下で不休のキャストのあまりの厳しさに絶句。「これが4日間続くの?」と。
そうなのよ。釣れば楽になるって。でも釣れないと地獄よ。
天国のように美しく静かな海に360度囲まれて、地獄の苦しみを味わう。さあ、夢と現実がぐるぐる回り始めた。
place : Northern Malé Atoll, Maldives
fish : Giant Trevally

2012年4月17日火曜日

Mediterranean Sundance / Al Di Meola, Paco De Lucia, John Mclaughlin

アル・ディ・メオラのElegant Gypsyに入っていた曲、それがスーパーギタートリオ・ライブとして出された。
魅惑の旋律に驚異的なテクニックが次から次へと繰り出される熱狂的なライブ、これ大のお気に入りだ。
パコの切れの鋭い純フラメンコがアル・ディの甘い高速旋律に絶妙に混ざり合い、炎と燃え上がる。
10:20から11:25のフィナーレ、いつ聴いても鳥肌もんですな。棺桶に入れていくぞ。よく燃えそうだし。

2012年4月12日木曜日

遠征仕様

飛行機で遠征する時に煩わしいのが金属探知機のゲート。最近は靴まで脱がされたりする。
ベルトも外すのが面倒。そこでオールプラスチックのベルト。80バーツ。もちろん着用したまま探知機通過。
次はファイティングベルト。Rが付いていて嵩張るくせにファイトに貢献しないガワを切って捨てて小型化。
これで磯バッグにすっぽり入るぞ。カップ部は上側をU字型にノコで切り取って、竿が立てやすいように変更。
RIMG2544 RIMG2545
もう一つ。これは情報。前回膨張式ライフジャケット用のボンベを預け荷物に入れてタイに戻ろうとした。
そしたら搭乗口で呼び出され、飛行機に積み込まれずに搭乗口まで運ばれた荷物を開けて係員が検査。
飛行機の座席の下のライジャケにもCO2ボンベ全部付いているのに、バカではないのか?
なんでも、ライジャケに付いている状態なら認めると。バラだと30cc以上のボンベはCO2でも認めないのだと。
僕のは24㌘のボンベだったのでパスしたが、ボンベで止められたの初めてではない。何かいい案ないかな?
RIMG2731  ← これでどやっ?

2012年4月10日火曜日

サトゥン プレゼント釣行

先週末、サトゥンに単独釣行してきた。
ハジャイ空港のターンテーブルで荷物を待っていると、魔寧蛇さん一家に遭遇。家族でリペ島か…最高だね。
しかし、以前シーチャン島行きの船で魔寧蛇さんにばったり会った時は携帯を海に落として最悪だったな。
今回もやはり…。ターンテーブルに僕のロッドケースは現れなかった。悪夢のオフローデッド。
Air Asiaではなくバンコクの空港公団のミスなのだが、これで2回目の経験。何とかならないものか。
ハジャイでは爆弾テロがあったばかりで早く通過したかったのだが、空港ロビーで本を読んで次の便を4時間ひたすら待つ。
これで土曜日の釣りはパー。単独釣行なので釣り時間のロスは物凄く高価だ。貴重なサトゥン釣行なのに残念でならない。
ようやくパクバラに着いて、夕方の一時だけ、町のすぐ前のリディ島で竿を出した。
こんな近くの島でも元気なプラー・モンや太いダツがローデッドで釣れた。雨でびしょ濡れになったが満足して帰港。
翌日は朝8:00から釣り開始。タルタオ島西岸のアオ・マッカムから北へ釣り上がった。
RIMG2529b RIMG2530
しかし底荒れで潮は濁り、バイトは散発。やっと4番まで来ていつも釣れないブリットでプラ・ーモンを釣った。
その後、北磯に並ぶ3つの美しい湾を中心にじっくり投げてみたが、結構プラー・モンが居るのに驚いた。
北磯は長い間「魚が居ない・釣れない」と決め付けてパスしてきたからね。
北端や東岸のレック島は波風がきつくて攻めにくく、数バイト掛け損なったのみ。静かな時に来たかったね。
早めに納竿し、帰途に着く。思えばイエブとスレイマンの親子船頭には長い間世話になったな。
イエブ船頭は、「前にもらったこれで8kgのサワラが釣れたよ!」と傷だらけのRapara CDマグナム18RHを見せてくれた。
使ってくれてうれしいよ。僕は今回、追加のプレゼントを用意しており、「これもあげる」と渡した。
シマノの30lbのトローリングロッド、Pennのセネター114HL(4/0)、そして20号のナイロンライン新品。
DSCN1565←このセットね。
船頭は「本当にくれるの?」と驚いていた。僕はもう使う機会が無いだろうから、喜んで使ってもらえる人に。
操作方法を教えて、しっかりしたロッドキーパーを船に付ける様に頼んだ。
「5月の海はサワラがいっぱいだ」と笑顔の船頭。ならばこの道具でいっぱい釣って、いつかその話を聞かせてほしい。
サトゥンの海よ、いつまでも青く、皆元気で!