2009年5月11日月曜日

トラン遠征 うねりで撤収

2009.5.8&9のfishingのお話。
僕は、今回がモンスーン前ギリギリ最後のアンダマン釣行だと考えていた。それほど悪天候のリスクが高い。
そんな中、リスクを承知で来てくださったmomoさん・小泣爺さんと僕を乗せた船は、トラン県のペトラ諸島を目指した。
船が15m級なので揺れはマシなのだが、船足が非常に遅く(公称8ノット、実は6ノットぐらいか)、着いたのが13時過ぎ。
ここペトラ島は、天を突く断崖が並ぶ圧倒的な光景だ。海から垂直に200mは立ち上がっているのではないか?
凄い凄いと、首が痛くなるほど大岩壁を見ていた。
一方、釣果はしょぼしょぼ。僕は30cmと35cmのプラー・モン2匹のみ。これを含めても4バイトしかなかった。
momoさんはバラクーダのチェイスのみ、小泣爺さんはプラー・モン小型バラシ1だけ。
何度も船頭にポイント変えを頼んだが、表磯はうねりが高いからと行ってくれなかった。
確かに島の裏でも回り込む風がきつくて、キャストの向きが限られる程だったから致し方ない。
そのまま船上で夜明かしだ。幸い揺れずによく眠れた。しかしこの間にも外海はさらに荒れてきていたのだ。
翌9日は隣のタクバイ島に移ったが、うねりで立てないほどの大揺れだった。
僕は船尾で体を洗っていたが、この格好のまま振り落とされて行方不明になるかもな、と思った。
タクバイ島は海燕の巣の採集権が設定されている。その採集権は何億バーツもするらしい。
権利者の雇った警備船が島を護っており、不審船は銃撃される。
「撃ってこないだろうな?」と聞くと、「大丈夫ヨ。昨日も今日も電話してあるヨ」と船頭。
確かに撃たれはしなかったが、ルアーを打てる風裏の場所が100mぐらいの幅しかない。

DSCN3316 DSCN3324 左ペトラ島、右タクバイ島
30分ぐらいで船頭が「次行こうか~」と言ってきた。
ペトラ諸島は他にも島がいろいろ有るから、各島の風裏を拾い釣りして回るんだろうなと思ってokした。
しかし船頭は他の島を無視して、うねりの中をサトゥン県のブロン・レ島まで大後退しよった。
この島は大きめなので、沢山の職漁船が波風を避けて集まっていた。
船頭は僕らに「島に上陸してリゾートで寝とけ」と言いだした。おヌシが休みたいのとちゃうんかいっ!
まだ朝じゃ!こっちは釣りにきとるんじゃ!と上陸提案を拒絶したものの、この停泊地には魚は居ない。
翌日回復に望みをかけて、タルタオ島西岸に行ってくれと船頭に5回頼んで5回断られた。「波が高い。危ない。」
実際、少しでも島の裏から出ると強風と大うねり。
後で分かったのだが、この日リペ島から戻るスピードボートが高波で割れて浸水、別船が救助に向かった程。
僕らの船は、無理して波のある場所に行って竿を振ったり、雨で休んだり…。
僕は3mぐらい上下するミヨシに一人立って竿を振って頑張ってたのに、竿をぶつけて折ってしまい、くじけ方もひときわ。
15:00に「このまま明日も回復の見込み無し」との船頭判断を受け、3人で相談して撤収を決定した。
だって2日目全員ノーバイト。明日もこれではやってられない。帰港してそのまま勢いでバンコクまで一気に戻った。
前週のサンダーストームとは異質の荒れ方だったな。モンスーンが一足早くアンダマン海にやってきたようだ。
これで6ヶ月に亘るトライは終わった。7回行ったよ。今の僕にはもう何の釣行プランも無い。白紙だ。
手元に残ったのは、あそこで折った4本の竿と軽くなった財布。
あのインクブルーの海は、もう届かない遠くにある。

2 件のコメント:

  1. tokuhain - 2009年 5 月 11 日
    いやー、私は船酔いするので、記事を読んでいるだけでも酔いそう。非常に厳しかったようですね。でも、それを感じられるということは、リュージョンさんが釣行して、こうして伝えてくれる、正にそのお陰でもあります。

    momo momo - 2009年 5 月 12 日
    お疲れ様でした。大丈夫、海は逃げないし、GTも待っていてくれます。来シーズン中には10kgUPを1匹は釣りましょう。
    難しいほど達成した時の喜びは大きい。

    小泣爺 - 2009年 5 月 12 日
    確かに残念でしたが、ルアー釣の醍醐味を教えていただいただけで満足です。リュージョンさん、Momoさん、有難うございました。

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  2. ☆ リュージョン - 2009年 5 月 12 日
    tokuhainさん、それは、シロートの撮ったホームビデオで酔うのと同じですね(^o^)。
    帰還後の日曜月曜と、踏ん張ったふくらはぎが筋肉痛でちゃんと歩けませんでした。
    ただし、開き干物級のGTは釣りましたよ。干物級なら5回連続ボーズ知らず。あそこは干物の大産地。
    ヘビーにぬぅぉぉぉっと投げるより、ライト~ミドルタックルでエンジョイ・ルアーというスタイルが向いているような。
    夢を捨てたわけじゃないけど、確実に楽しもうと思えば、そういう選択も吉かと。

    ☆ リュージョン - 2009年 5 月 12 日
    momoさんお疲れ様でした。やっぱあの地域は船の性能が圧倒的に低い。
    遅いからチャンスは逃すし、少しの荒れでも釣り不能。日本並みとは言わない。
    でもラノーンやカオラックやプーケットやチャロン並の船が欲しいところですね。
    今、マレーシアを物色してますが、タイのアンダマン海と同一シーズンなため、イマイチです。
    ここは一発モ…(以下省略)。

    ☆ リュージョン - 2009年 5 月 12 日
    建礼門院小泣爺さん、お疲れ様でした。
    よねさんがスワンナプーム空港で荷物不達でいきなりドタキャン。
    小泣爺さんも開始早々にトップガイド割れという秘孔を突かれ、大後退でしたね。
    僕も新竿プレミアの陥没骨折で大打撃。残るはmomoさんだけ。
    そこに大荒れと船頭のヘタレが加わって、もうわやでしたな。
    次はシアヌークビル調査隊長をお願いします。しもべとして馳せ参じます。

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