2009年5月18日月曜日

雨のマングローブに翡翠が飛ぶ

2009.5.3のfishingのお話。
朝5時に出船の予定が、強烈な雷雨で一歩も外に出られない。
ようやく降り止んだ8時過ぎ、深い水溜りの道を船頭の家まで歩いていった。
RJ:「アッサラーム・アライクム、おかみさん」
おかみ:「アライクム・アッサラーム、あんた達、もう帰ったかと思ったわよ」
釣具一式置かせてもらってるのに、帰るわけ無いっしょ!
船頭:「海が荒れてて、釣りはとても無理だ。帰るか?」
RJ:「今日は川でプラー・ガポンを狙う。安全なマングローブの水路伝いにラングー川の河口域に行ってくれ。」
船頭:「了解、川なら大丈夫だ」
船頭は客の意外な提案に驚いていたが、こっちも選択の余地が他に無い。ここの川での釣りも、いつかは通る道だ。
船は再び降り出した雨の中を、パクバラ川河口から断崖の下の狭い水路を通って北に向かう。
断崖には雲が掛かり、水路両脇にはびっしりとマングローブ林。いい雰囲気だ。
ここを押すとGoogle衛星写真が出るはず
衛星写真でいうと、下端のパクバラから左に出て、解像度の悪い岬の中にある水路を上に曲がってラングー川河口に抜けた。
そして釣りながら、白くマングローブを横切っている道(6021号線)の方へ、本流と支流を探っていったのだ。
遠く河口を振り返ると、海は白波に覆われている。一方、ラングー川河口はひどく濁っているが静かだ。
大きな岩山の間を、本流を中心にマングローブの森と水路がうねりながら埋め尽くしている。



 
ここには、マングローブ・ジャックが沢山居るという。
バラマンディは少数ながら居る。この辺り、大きいのは10kgを超えるのだと。
僕とよねさんは、雨をいとわずルアーを振るが、反応は無い。
その時、ゲゲゲゲと鳴きながらオレンジ色の目立つ鳥が、マングローブ沿いを対岸の枯木まで飛んだ。
背中だけが青く光っている。ハッとする程美しい。
アカショウビンだ。日本では幻といわれている大柄なカワセミ。
よねさんは、こいつを撮るためにわざわざトランまで行こうとしていたのだが、意外な場所で出会うことが出来た。
カメラを構えて船を接近させるが、あざ笑うかのように向こうに飛んでいってしまった。
釣りの方は、僕がトップ、よねさんがミノーで岸沿いをタイトに攻めるのだが、ダツが反応するだけ。
次に現れたアカショウビンが止まった木でのこと。また逃げられて撮影しそこなったのだが、根元でバラマンディーが大きく2回ジャンプした。
幻の鳥が幻の魚の居場所を教えてくれたのだ。吉兆か?
しかし僕の入魂の一投は、マングローブの根に引っかかってしまった。残念。2kgぐらいあったな。いいもの見たよ。
途中、行きかう漁師に獲物のカニを分けてもらい、茹でて食べた。降るような鳥のさえずりの中で。その無言を強いる旨さよ。幸せ。
結局、衛星写真上端の岩山の前、川が左に向いているあたりまで行ったことになる。
DSCN3299 DSCN3304 DSCN3305
この日はパンツまで濡れるほど雨がひどく、服の雨水を絞りながら投げ続けただけだったな。
晴れて水の澄んだ時の朝夕、またルアーでここを攻めてみたい。
行けども行けども、周りが100%全部自然のマングローブ林。好き。たまらんわ。幻のアカショウビンも5羽見たしね。
こんな場所で、天然バラマンディを釣るのが、僕のタイでの夢の一つ。たとえ一人であっても。