2010年1月15日金曜日

ラウイ島で大晦日

2009.12.31のfishingのお話。
朝タルタオ島を発った船は、強い北東の風の中、ラウイ島西岸を目指した。
そこは1泊2日の旅程では到達できない、最も遠い海岸線。本土から72km。
rawi
昼前、ついにラウイ島北西端に着いた。素晴らしい光景だ。魅惑の荒磯が連なっている。
南に向かって船を流し、丁寧に磯際にルアーを投げ込んでいく。ここで釣れずしていったいどこで、というほどの期待を込めて。
しかし全く食わない。ダツしかいない。カタクチイワシ<グルクン<大型アジ類という連鎖が、丸ごとこの海域から抜けて他に行ってしまったようだ。
さらに災難が僕を襲う。途中、船の横揺れで、撮影中のカメラが大きく振れて、三脚ごと海底に消えていった。 全ての画像データとともに。
ブロガーとしては致命的損失だ。痛い。しかし、釣果が無いので画像無くても一緒と言う「負×負=正」思考でぐっとこらえる。
釣れないまま、船はラウイ島南西の珊瑚礁の湾に入った。青く透明な海の底に、一面の生きた珊瑚。ため息の出る美しさ。
水深2~3mの浅場にアンカーし、Desperadoを取り出してワンダーを投げてみる。
釣れる釣れる。入れ食いだ。チェッカード(フエダイ)、ハタ、バラクーダ、ダツ。
毎投釣れるだけじゃなく、1個のルアーに2匹食ってきたのが3度。手付かずの珊瑚礁ってこうなんだと、改めて豊かさを感じたね。
日没までここでゆったり過ごして帰途に着いた。
ほぼ道具を片付けた頃、船はラウイ島南西端の岬を回ろうとした。そこはトン島との海峡の出口コーナーにあたり、オォッと息を呑む好ポイント。
「あそこに寄せてくれ。」 僕は唯一片付けてなかったPREMIREを手にして、再び船首に立った。
キャプテンが静かに岬にアプローチした。しかしなぜか船は裏側の入り江に向かった。
ちゃうやろ、海峡側を表から攻めなきゃ、と内心憤慨したが仕方ない。そのまま裏から表を狙うような形のキャストになった。
1投目、ポッパーに魚がガバッと出た。プラー・モンの大型だ。初めて言わせて貰おう。それはGTと言ってよい大きさ。
「今の見たか?」「いや見てなかった」
ここで僕は焦った。船を一回外に出し、表からアプローチし直すべきだった。しかしそのままセカンドキャストを放ってしまった。
もう一回出た。キャプテンと助手が一斉に叫んだ「プラー・モン!」
今度はガシっとフッキングした。もの凄いファーストラン。やばいよ。岩を回り込んで走って行く。最悪の方向。
竿は立てたが、尚も竿を絞り込んだままジャーっと糸を持っていく。キャプテンは至急表側に船を付け直そうとするが、もう間に合わない。
こうなったら負け。根ずれで80ポンドリーダーがラインブレーク。あぁ、攻略ミス…。
rawi text
本日唯一の、そして10数回にわたる僕のサトゥン遠征での初のGTは、行ってしまった。 辛い大晦日だった。
夜はアダン島でスウェーデンから来たピーターと飲んだ。
彼は40日間の休暇を、アダン島のテントとハンモックで過ごすらしい。その余裕をきいて、少し癒されたね。
そして満月の光に包まれ、遠くリペ島からの賑やかなカウントダウンの花火の音を聞いて、一人眠った。
人それぞれに、受け入れるべき人生が予定されていることがある。この日がそうだったかもしれない。
少なくとも人生は努力で変えられるなんて敗者は決して言わない。ただ受け入れることを知る。
そんなことを考えながら。